いわゆる健康食品の安全性に影響する要因分析とそのデータベース化・情報提供に関する研究

文献情報

文献番号
200636034A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる健康食品の安全性に影響する要因分析とそのデータベース化・情報提供に関する研究
課題番号
H18-食品-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
梅垣 敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 廣田 晃一 (独立行政法人国立健康・栄養研究所 情報センター)
  • 大塚 英昭 (広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 山田 静雄 (静岡県立大学・薬学部)
  • 山田 浩 (静岡県立大学・薬学部)
  • 赤松 利恵 (お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
いわゆる健康食品(以下、健康食品)」が関連した健康被害発生の未然防止・拡大防止には、健康被害を起こす要因を科学的かつ具体的に調査・解析し、その結果を適切な媒体を介して国民に効果的に提供することが重要である。そこで本研究では健康食品の安全性に影響する要因分析、そのデータベース化・情報提供に関する調査研究を実施した。
研究方法
医中誌web版に掲載されている健康食品関連の文献(1983年-2005年)を網羅的に調査した。インターネットを介した効果的なPuBMed情報の自動収集方法を検討した。実験的検討として、健康食品が関連した有害事象収集に関する基礎的検討、数種のハーブと医薬品との相互作用、アガリクスの原材料レベルでの成分検索を行った。情報伝達に関する検討として、保健医療従事者を対象としたメディアリテラシー調査を行った。
結果と考察
2005年までの医中誌web版情報の調査から、健康被害の原因としては、食物アレルギー、薬物アレルギー、過剰摂取が多く、健康被害発生には、体質的な要因、利用者の知識不足との関連性が高いことが示唆された。インターネットを介した効果的な文献収集に関する検討では、ある程度は自動収集できることを示した。健康食品が関連した有害事象の収集に関する検討では、必ずしも摂取成分に関係しない有害事象も含まれることを示した。健康食品と医薬品の相互作用を評価する際に重要な薬物動態学と薬力学の同時評価系を設定し、数種のハーブと医薬品との相互作用を示した。アガリクスについては原材料レベルでの成分探索研究を行い、既知・新規化合物を得た。情報提供に関する検討では、一般の人々に情報を伝える側となる保健医療従事者のメディアリテラシーに対する知識やスキル、考え方の調査等を行い、専門職でもEBMの観点からの健康情報の読み取りは、まだ十分ではないことを示した。
結論
健康食品が関連した健康被害の特徴の文献調査、ならびに被害に関連した実験的検討を実施した。これらの結果の中で信頼できる情報については、「健康食品の安全性・有効性情報」の素材情報データベース(http://hfnet.nih.go.jp/)に追加した。その情報が如何に国民に周知できるかが今後の課題である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-