既存添加物の成分と品質評価に関する研究

文献情報

文献番号
200636023A
報告書区分
総括
研究課題名
既存添加物の成分と品質評価に関する研究
課題番号
H17-食品-一般-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 壮(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 多田 敦子(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
  • 黒柳 正典(県立広島大学生命環境学部)
  • 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
  • 受田 浩之(高知大学農学部)
  • 松本 清(九州大学大学院農学研究院)
  • 永津 明人(金城学院大学薬学部)
  • 尹 永淑(東京薬科大学生命科学部)
  • 李 貞範(富山大学薬学部)
  • 秋山 卓美(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国の既存添加物(天然添加物)品質規格の整備が遅れている。本研究では、特に成分研究が遅れている酸化防止剤、苦味料、増粘多糖類、ガムベースに重点を置き、添加物の有効性(活性)を測定する手法を積極的に利用することによって含有成分を解析し、品質評価の指標となる成分を明らかにする。また、既存添加物製品の品質や機能特性を簡便に評価する方法を開発する。
研究方法
苦味成分のモデル化合物と添加物製品を味覚センサーによる苦味の質の解析、定量性の解析を行った。酸化防止剤を複数の抗酸化活性測定法で測定し、測定値の一致度を評価した。添加物製品の含有成分は、成分を単離し、各種機器分析で同定・定量を行った。
結果と考察
酸化防止剤は、3種類の抗酸化力価測定法の標準操作法を作成して、単一成分の天然酸化防止剤9種類を複数機関で測定し、測定値の一致度を評価した。各化合物の活性の高低傾向が概して一致することが認められた。さらに、天然酸化防止剤製品22~29製品の抗酸化能を3種類の抗酸化力価測定法で評価したが、適用可能であった。いずれの測定法も酸化防止剤評価方法として適用可能であることが示唆された。ブドウ種子抽出物のHPLC分析条件の検討、γ-オリザノールの含量と抗酸化活性の測定法の検討、カンゾウ油性抽出物とユーカリ葉抽出物の成分解析を行った。
苦味料は、天然由来の苦味料中の苦味関与成分の検索に有効な評価方法を見出すため、各種モデル化合物及び苦味料添加物を用いて味覚センサーによる苦味の質の解析、定量性などの基礎的分析方法を検討した。苦味化合物の化学構造により味覚センサーの応答パターンが特徴的であることが分かった。レイシ抽出物中の苦味成分の単離及びヒキオコシ抽出物の基原植物種の含有成分とDNA塩基配列の分析を行った。
増粘多糖類は、硫酸化多糖類に分類されるフクロノリ抽出物、精製カラギナン、ファーセレランの糖鎖の結合様式と硫酸基の置換位置を明らかにした。また、ウロン酸と中性糖を含む増粘多糖類の構成糖組成分析法を検討し、糖組成の違いにより品目間の区別を行うことができた。
テルペノイド系ガムベースであるエレミ樹脂、ニュウコウ、ベンゾインガムの成分解析を行った。既存添加物4品目の業界自主規格を新規に作成し、30品目の既設定規格を見直した。また、食品用酵素の流通実態調査を行った。
結論
次期改正第9版食品添加物公定書の規格案整備に向けて有用な基礎的知見を得ることができた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-13
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
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