食品を介するBSEリスクの解明等に関する研究

文献情報

文献番号
200636022A
報告書区分
総括
研究課題名
食品を介するBSEリスクの解明等に関する研究
課題番号
H17-食品-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐多 徹太郎(国立感染症研究所感染病理部)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 潤一郎(独立行政法人 医薬基盤研究所 生物資源研究部)
  • 萩原 健一(国立感染症研究所細胞化学部)
  • 金城 政孝(北海道大学電子科学研究所 超分子分光分野)
  • 岡田 洋之(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
  • 村山 裕一(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
  • 横山 隆(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
  • 古岡 秀文(国立大学法人帯広畜産大学動物病理学教室)
  • 石黒 直隆(岐阜大学応用生物化学部獣医学課程)
  • 寺尾 恵治(独立行政法人 医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター)
  • 扇 勉(北海道畜産試験場 畜産工学部 生産病予防)
  • 堀内 基広(北海道大学大学院獣医学研究科 プリオン病学教室)
  • 大西 和夫(国立感染症研究所免疫部)
  • 堂浦克美(東北大学大学院医学系研究科創生応用医学センター)
  • 月川由紀子(東京都芝浦食肉衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
110,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品を介したBSEの人への健康影響レベルについては不明な点が少なくないので、 異常プリオンタンパク質の高感度検査法を検討し診断技術に役立てるとともに、BSE感染牛由来材料を用いたin vitroおよびin vivoでの感染発症機構を検討し、さらに牛由来の特定部位の除去および廃棄方法等、およびめん羊等へのサーベイランスに関する研究を行うことにより、食品を介するBSEリスクの解明に関する研究を行う。
研究方法
分担研究者の詳細な研究方法は分担研究者の報告書に譲る。
結果と考察
新しい病理・免疫組織化学法であるImmunoAT-tailing法のoligo(dA-dT)標識抗体の物性評価と調整法の標準化をおこなった。PETブロット法の改良が進んだ。小型全自動蛍光相関分光法測定装置でQ-dotを用いることでさらに感度増加が得られた。PMCA法で非特異凝集体の形成阻害剤としてジギトニンを用いることによりBSEプリオンの増殖が可能となった。あらたなTgマウスを樹立している。BSEプリオンのマウス伝達試験の結果、伝達に抵抗性のある動物ではヘテロなプリオンが混在していることが判明した。また種々の動物への伝達では初代と継代ではプリオンの体内分布が異なることがわかった。ウシ由来マクロファージがプリオンを取り込み分解しLPS刺激で亢進した。Nueor2aにおけるPrPCの細胞内代謝は膜結合型のプロテアーゼにより起こること、プリオン持続感染細胞では細胞密度によりPrPSc量が大きく増減することが判明した。プリオン病発症マウスの脳タンパク質のプロテオーム解析で神経軸索伸長制御因子(CRMP-2)のプロセッシングに関わる知見をえた。BSEプリオンの脳内接種牛は13頭で発症し、2頭のサルでも発症し、プリオンの体内分布を明らかにした。枝肉の汚染状況を明らかにし洗浄法のSSOPモデルを提示した。舌扁桃の除去法を明らかにした。めん羊のサーベイランスの結果はすべて陰性で、わが国には感受性のあるヒツジが多かった。169ヶ月令の非定型BSEの特徴を明らかにし動物伝達試験を開始した。
結論
この研究班の課題のそれぞれに於いて、食品を介するBSEリスクの解明に関わる研究の進捗がみられた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
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