手腕振動障害防止のための振動ばく露リスク評価および低減策に関する研究

文献情報

文献番号
200635011A
報告書区分
総括
研究課題名
手腕振動障害防止のための振動ばく露リスク評価および低減策に関する研究
課題番号
H17-労働-一般-007
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
前田 節雄(独立行政法人労働安全衛生総合研究所有害性評価研究グループ)
研究分担者(所属機関)
  • 細矢 直基(埼玉大学大学院理工学研究科)
  • 榊原 久孝(名古屋大学医学部保健学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,052,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的

平成18年度は、次の3つの研究を実施した。①事前リススク評価(Predetermined Risk Evaluation)が行える方法の検討(ノモグラムの検討:カリキュレータ作成への準備)および複数工具を使用した場合のリスク評価が最適であるかどうかをBranch and bound法を用いて検討、②事業主や作業者が容易にリスクを評価することが可能なカルキュレーターを試作検討、③このシステムの有効性を確認するために、各種事業場を想定した確認実験室実験を実施した。
研究方法
①本分担研究では、ISO 5349-1で考えられてきている方法から検討できるノモグラムの作成に関して検討を加え、そして、複数工具を用いて作業を実施した場合がリスクを最小に押さえることが可能であるかどうかをBranch and bound法を用いて検討も実施した。
②本分担研究では、事業主や現場の作業者が容易にリスクを評価することが可能なカリキュレータの試作検討を行う。
③本分担研究では、今後わが国での振動暴露管理を考えるにあたり、日本産業衛生学会とEU振動指令の規制値の振動障害発症リスクについて検討した。
結果と考察
①ノモグラムやISOの式により作業別の周波数補正振動加速度実効値やばく露時間の推定や測定を明確に行うことが出来る場合は、このような方法で、振動作業管理や製作した工具や機器が許容基準を満足しているかどうかのリスクを事前に確認することは可能になることを示すことが出来た。②本分担研究では、事業主や現場の作業者が容易にリスクを評価することが可能なカリキュレータの試作検討を行った。③EU振動指令のような振動暴露対策値としてA(8)=2.5m/s2 rms、振動暴露限界値としてA(8)= 5.0 m/s2 rmsなどによる振動暴露管理のさらなる導入が望まれる。
結論
①本分担研究では、ノモグラムやISOの式により作業別の周波数補正振動加速度実効値やばく露時間の推定や測定を明確に行うことが出来る場合は、このような方法で、振動作業管理や製作した工具や機器が許容基準を満足しているかどうかのリスクを事前に確認することは可能になることを示すことが出来た。
②本分担研究では、振動暴露量を事前に把握するためのカリキュレータを作成することが出来た。③EU振動指令のA(8)=2.5m/s2 rmsの振動暴露対策値を振動暴露管理の目標とすることは、わが国の振動暴露管理の指針としても妥当性を有すると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-26
更新日
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