処方せん(注射せん)の記載方法に関する医療安全対策の検討

文献情報

文献番号
200634124A
報告書区分
総括
研究課題名
処方せん(注射せん)の記載方法に関する医療安全対策の検討
課題番号
H18-医療-一般-045
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
齋藤 壽一(社会保険中央総合病院 病院長)
研究分担者(所属機関)
  • 土屋 文人(東京医科歯科大学歯学部附属病院 薬剤部長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
処方せんについては、医師法等に基づき記載されているが、処方せんの記載方法等については、各医療関係者に共通する統一された規格がない。本研究においては平成17年度の検討結果について医育機関等の意見を調査するとともに、実際の処方例の実態調査を行うことにより、処方せん記載方法についての標準案を検討する。
研究方法
平成17年度の研究結果を反映した処方せん記載に関する標準案について、医育機関や研修指定病院を対象に診療(内科、小児科)、薬剤、看護、医療情報、事務の各部門に意見を求めると共に、投与区分や剤形を考慮して実際の処方記載例について調査を行った。
結果と考察
標準案についての意見は外用薬についてはほぼ全部門において妥当と評価された。内服薬については剤形によって意見が分かれた。内服の散剤については標準案を是とする意見が少なかった。散剤については実際の記載例でも原薬量を記載している場合が多数を占めたことに比例して、標準案(製剤量を記載)への支持は低かったものと考えられる。錠剤については標準案についてほぼ半数が妥当、妥当でないとしたのが3分の1であった。
今回の調査では実際にどのように処方が記載されるのかの実態調査が行われたが、医育機関や研修指定病院を対象とした調査において、本来統一されていても不思議でない錠剤を処方する際の記載方法が、用法等の記載を含めて極めて多彩にわたったことは、処方せんの記載についての共通した教育が行われていないことを如実に示しており、処方に関する情報伝達エラーを防止することで医療安全を図るためには、記載方法の標準化の必要性が強く求められることを示しているものと考えられる。なお、調査において標準案を実施するためには情報システム改造は必須であり、仮に標準案を実施する際には、その過渡期の過ごし方が極めて重要であることについては意見の一致をみた。
結論
今回の調査は医育機関、研修指定病院におけるものであり、調査結果からは処方せんの記載についての統一した教育が行われていないことが示され、平成14年度に実施された厚生科学研究での調査結果が依然として継続していることが判明した。また、記載方法の標準化を行うことの必要性は意見の一致をみたが、記載方法については意見が分かれた。

公開日・更新日

公開日
2007-08-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200634124C