標準的電子カルテ基盤上での医療安全の実現と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200634107A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的電子カルテ基盤上での医療安全の実現と評価に関する研究
課題番号
H18-医療-一般-028
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
すでに数箇所にて実稼動している静岡県版電子カルテシステムの臨床情報データベース、定型文書作成機能を基盤として用いて検査結果、処方内容等からの感染症パンデミック時にも情報収集できるリアルタイムでオートマチックなアクティブ疾病サーベイ等の医療安全、危機管理に寄与するアプリケーションを構築する。そのため、標準薬剤マスターであるHOT-9コードを浜松医科大学病院にて全件マスターとして試用し、氏疾病報告書類のCDA規格を定める。
研究方法
すでに稼動しているオーダエントリシステムが現場での安全および疾病対策に役立った例について静岡県下の病院を対象としたアンケート調査を行った。この分野での現場のニーズを把握することが出来た。このため、データ発送、集計に謝金、委託費などを適切に使用した。薬剤マスターについては、併売品があるため、HOT-9コードを用いる必要がある。また、他施設から持ち込まれた薬剤を服薬指示、指導をおこなう状況となっており、こういったことへのHOT-9コードによる対応の可否を試用して検討するため浜松医科大学病院のオーダエントリシステムへの改造、インストールを行った。この際、ソフトウエアの改変、マスターテーブルの改変のため、その用途のPC、謝金、委託費、打ち合わせ関する費用を適切に使用した。
結果と考察
薬剤コードの対応は問題なく行われた一方、検査項目コードの変換には少しのあいまいさが見られた。それは、薬剤は、個々の存在に対して符番されるものであるのに対し検体検査は、分析物などに問題はなくても検査方法については施設により、あるいは時期により変更があり、これについてのあいまいさが残るからと考えられる。オーダシステムの医療安全に関しては、予想通りの貢献の一方、意外に多くの問題があることが判った。やはり情報システムだけでは安全性は十分に上がらず、人間系+情報システム系の協調、あるいはこのふたつのダブルチェックこそが目指すべきものであると考えられる。
結論
薬剤、検体検査コードの標準コードへの変換はほぼ問題なく行われた。オーダエントリの医療安全への貢献は、予想通りの高いものであったが、逆に情報システムによるインシデントも予想以上であった。情報システム系のみでなく、人間系との協調による医療安全対策が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-04
更新日
-