精神科疾患を有する人の地域生活を支えるエビデンスに基づいた看護ガイドラインの開発

文献情報

文献番号
200634099A
報告書区分
総括
研究課題名
精神科疾患を有する人の地域生活を支えるエビデンスに基づいた看護ガイドラインの開発
課題番号
H18-医療-一般-020
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
萱間 真美(聖路加看護大学精神看護学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮本 有紀(東京大学大学院医学系研究科)
  • 渡邉雅幸(昭和大学保健医療学部作業療法学科)
  • 深沢 裕子(福井松原病院)
  • 瀬戸屋 希(聖路加看護大学精神看護学)
  • 林 亜希子(聖路加看護大学精神看護学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、精神疾患を有する人の安定した地域生活を支援するための看護援助ガイドラインを開発することを目的としている。今年度は、専門家・実践家へのヒアリング調査、質問紙調査、文献調査を行い、地域生活支援における看護援助の実態とガイドラインの必要性を把握し、ガイドラインの焦点を明確にすることを目的とした。
研究方法
ワーキンググループを組織し、実践家へのヒアリング調査、実践家への質問紙調査を行い、精神疾患を有する人の地域生活を支える看護の現状と課題、今後必要な資料について情報収集し、ガイドラインの焦点を明らかにした。その上で、実践家へのヒアリング調査と文献調査を行い、ガイドラインに必要な構造的・機能的要素を抽出した。
結果と考察
実践家へのヒアリング調査と質問紙調査から、統合失調症患者に対する非定型抗精神病薬の導入および従来薬からの切り替え(スイッチング)が現在のトピックスであることが明らかになり、非定型抗精神病薬へのスイッチングの際にみられる行動や症状の変化、薬効の出現等をアセスメントし、対応するための看護ガイドラインを開発することの重要性が示された。
 さらに、実践家へのヒアリング調査、文献調査を行ったところ、薬物療法が計画される目的、薬剤特有の作用・有害作用を早期に発見して対応するための観察ポイントと対応技術、服薬援助のために必要なコミュニケーション技術について整理することが必要であることが示された。加えて、スイッチングの際の観察ポイントなど、ガイドラインで扱うべき臨床問題について、情報を集積することができた。
結論
精神科薬物療法を効果的に継続するための看護援助ガイドラインを開発することを目的に、実践家へのヒアリング調査、質問紙調査、文献調査を行ったところ、非定型抗精神病薬の導入時や使用中のモニタリングおよび対応技術に焦点を当てた看護ガイドラインを開発することが、重要であることが示された。また、ガイドラインに必要な要素として、薬物療法の目的、作用と有害作用のアセスメントのポイントと対応技術、服薬援助に関わるコミュニケーションが整理され、それぞれに含むべき臨床問題に関する情報が集積された。

公開日・更新日

公開日
2008-06-25
更新日
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