フッ化物応用による歯科疾患の予防プログラムの構築と社会経済的評価に関する総合的研究

文献情報

文献番号
200634098A
報告書区分
総括
研究課題名
フッ化物応用による歯科疾患の予防プログラムの構築と社会経済的評価に関する総合的研究
課題番号
H18-医療-一般-019
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
眞木 吉信(東京歯科大学 衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究目的は、第一に歯科疾患に関わるフッ化物応用による各種予防クログラムをエビデンスに基づいて評価することによりライフステージに応じた標準の予防プログラムを提示することである。そのための安全性を担保する研究としてフッ化物の栄養摂取基準を確立することである。第二は、地域歯科保健施策を政策課題として実施していくため、リスクコミュニケーションの手法を用いインフォームド・コンセントのあり方を示すこと、第三にライフステージに応じた歯科疾患の予防プログラムを歯科医療提供システムに適合させていくために社会経済的評価を行うことである。
研究方法
本研究は以下の方法で行った。
1)コミュニテイ・ケアにおけるフッ化物応用プログラム
2)プロフェッショナル・ケアとしてのフッ化物応用による予防プログラムの
3)セルフ・ケアとしてのフッ化物応用による予防プログラム
4)リスクコミュニケーションの手法による保健政策プロセスの構築
5)フッ化物応用の医療経済的評価
結果と考察
「日本におけるフッ化物摂取基準と健康」を出版し、F化について群馬県内の一つの町を対象に住民への啓発活動行い意識向上を図った。母子保健におけるF応用情報の母子手帳への記載を提言した。「フッ化物歯面塗布実施マニュアル」の出版により、昭和41年の「弗化物歯面塗布実施要領」の作成以降改訂がなされていないこの分野に、ゲル、ゼリー、フォームなどの新製剤の適切な臨床応用方法を提示した。歯冠部や歯根面の齲蝕予防のためのフッ化物徐放性修復材の有効性、唾液中ミュータンス連鎖球菌数に及ぼすフッ化物の影響等の研究を報告した。F洗口液の認可と販売に関する欧米諸国の調査を実施し、フッ化物洗口液のOTC化を提案した。F物配合歯磨剤による歯根面う蝕の予防に関する文献レビューの結果、フッ化物濃度が高く、研磨性の低いF配合歯磨剤の開発が望まれた。F配合ガムの唾液中F濃度からう蝕予防の可能性を検討した。医療倫理学と社会心理学の手法を用いて、F化の普及を目的としたDVDの内容を構想した。さらに、医療倫理からリスクコミュニケーションのあり方も検討し、また医療経済に適用できるミクロ経済理論を吟味した。
結論
1)フッ化物の摂取基準を提示した。
2)う蝕予防のためのフッ化物歯面塗布実施マニュアルを作成した。
3)プロフェsッショナル・ケアとしてのフッ化物製剤の基礎的研究が進展した。
4)セルフケアとしてのフッ化物洗口液のOTC化に向けての指針が理解できた。
5)リスクコムニケーションの手法によるフッ化物応用推進の問題点が明確になった。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
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