市民参加型地域緩和ケアシステム「家で死ねるまちづくり」の開発と評価

文献情報

文献番号
200634087A
報告書区分
総括
研究課題名
市民参加型地域緩和ケアシステム「家で死ねるまちづくり」の開発と評価
課題番号
H18-医療-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小松 浩子(聖路加看護大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 井部 俊子(聖路加看護大学 看護学部)
  • 川越 博美(訪問看護 パリアン)
  • 大久保(吉川) 菜穂子(聖路加看護大学 看護実践開発研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
市民が参与し専門職や行政との協働によるヘルスプロモーションに基づいた地域包括的緩和ケアシステムモデルを開発することを目的とした。初年度は市民、行政、医療専門職からなるワーキンググループによる市民参与型地域包括的緩和ケアシステム要素の継続的検討と評価を目的とした。
研究方法
1.ワーキングループによる市民参与型地域包括的緩和ケアシステムの構成要素抽出。2.ボランティア、ボランティアコーディネーターの活動及び協働に関する文献レビュー。3.米国のHome-based Hospiceの視察調査。4.韓国、台湾、米国、日本との国際比較研究。
結果と考察
市民参与型地域包括緩和ケアシステムの構成要素の先行要素は高齢化社会、格差社会、がん対策基本法の施行などによるがん・緩和医療医療推進等である。ケアシステムを開発する構造的要素にはがん患者数・死亡者数の増加、がん医療の地域格差から生まれているがん難民と医療者の偏在、医療者の量と質の不足、在宅支援診療所の増加と診療報酬改定、在宅療養を支援するシステムの遅れ等である。プロセス的要素には療養の場の移行に関する意思決定の支援、地域緩和医療のケアコーディネーターの開発、地域緩和医療の質保証、チームアプローチに必要な医療者、ボランティアの能力開発等が含まれる。アウトカム要素は医療に携わる医療者の能力向上、地域緩和医療費の減少等である。以上の構成要素の構造化から3点の課題が浮かび上がった。1.わが国に広がる様々な面を包含した地域格差を念頭におき、地域包括的緩和ケアシステムの構築を図る必要がある。2.病院、診療所、訪問看護ステーション、保健センターなど既に利用できる施設の補強・強化をし、効率的で新しい地域医療システムを考えていく必要がある。3.住み慣れた家で死ぬことができるまちづくりには、そこで生活を営む住民の力を動員することが重要である。
結論
市民参与型地域包括的緩和ケアシステムの開発をめざし、ケアシステムの構成要素をDonabedianのstructure-process-outcome modeに基づき、ワーキンググループによるバズセッション、文献レビュー、海外視察調査、および国際比較研究の結果から抽出した。

公開日・更新日

公開日
2007-06-26
更新日
-