医療の質向上に資するアウトカム評価モデルの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200634086A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質向上に資するアウトカム評価モデルの開発に関する研究
課題番号
H18-医療-一般-007
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐々 英達(社団法人全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
  • 飯田 修平(社団法人全日本病院協会 )
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、①各国における臨床指標を用いたアウトカム評価事業の概要について明らかにする。②日本の診療アウトカム評価事業、米国メリーランド病院協会IQIP(International Quality Indicator Project)に、日本の5病院が参加することにより、評価モデル、臨床指標、データ構造などについて比較検討を行う、③医療法改正にともない臨床指標を用いた新たな医療計画の導入が検討されていることから、臨床指標を個々の医療機関を超えて地域の健康評価などへの応用可能性について各国の事例をもとに検討を行う。
研究方法
文献調査、米国における現地調査を実施した。
結果と考察
①何らかの臨床指標を用いたベンチマークは、多くの国ですでに実施されている。IQIPには、世界11カ国の約2000病院が参加している。また、JCAHO、CMSが運営するベンチマーク事業であるHospital Compareは、2004年現在で米国のほぼすべての病院が情報提供に応じ、その結果はウェブで一般公開されている。米国では2009年度までに医療の質に基づく診療報酬支払い(P4P)を導入する予定であり、あらかじめ定められた臨床指標に対する到達度がその基本的な仕組みであるが、大部分がプロセス指標であり、アウトカム指標を用いるまでには至っていない。②診療アウトカム評価事業には約40病院が参加しているが、うち5病院がIQIPに参加した。参加にあたって担当者の研修を現地で実施した。またDPCの普及に伴い、様式1を用いて入力負担を軽減できるよう、診療評価アウトカム事業のシステム改善を行った。③医療法第五次改正により2008年より導入される医療機能情報公表制度では個々の医療機関より得た情報を都道府県が集約して公表するが、アウトカムに関する情報は含まれていない。米国ではNCQAがHMOの評価指標の開発、認定を実施しており、これをもとに専門家パネルにより地域の健康水準の指標について検討を行った。
結論
医療の質についての関心の増大とともに、アウトカムを明らかにするための臨床指標の開発、情報収集・リスク調整・公開・活用に至る一貫したモデルの開発は、社会的にも重要な課題となっている。諸外国の事例を参考にしながら、新しい地域医療計画、DPC、レセプトオンライン請求データを活用できるような、アウトカム評価モデルの開発を進める必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-06-27
更新日
-