心臓外科手術成績の質の向上を目的とする客観的評価法確立のための日本成人心臓血管外科手術データベースプロジェクト(JACVSD)

文献情報

文献番号
200634085A
報告書区分
総括
研究課題名
心臓外科手術成績の質の向上を目的とする客観的評価法確立のための日本成人心臓血管外科手術データベースプロジェクト(JACVSD)
課題番号
H18-医療-一般-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
高本 眞一(東京大学医学部附属病院 心臓外科)
研究分担者(所属機関)
  • 木内貴弘(東京大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 小林廉毅(東京大学医学部附属病院 公衆衛生)
  • 本村昇(東京大学医学部附属病院 心臓外科 )
  • 岡田昌史(筑波大学医学部人間総合科学研究科 公衆衛生)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国の心臓大血管外科手術の成績を幅広く集計し術前リスクファクターを考慮に入れた、また、海外とも比較可能な、統合的手術成績データベースを作製し、広く国民の福祉向上に寄与することを目的とする。
研究方法
各施設にデータ入力に関する責任者としてのデータマネージャーを設置し、Login IDとpasswordによりインターネットを通じてデータを入力する。データ入力プログラムはweb-baseとなるよう独自のプログラムを開発した。全国112施設で施行しており、2007年1月からは151施設に増大した。入力項目は1患者当たり総数で250以上に上り、米国で普及しているSTS National Databaseとほぼ同じ項目にそろえている。入力プログラムがweb-basedであるため、各施設にプログラムを配布する必要が無く、プログラムに修正を加えた際にも中央で変更するだけで良く、各施設に再配布する必要がなくなる。従ってメインテナンス費用が大幅に削減される。患者のこの研究への参加は任意であり、手術前にインフォームドコンセントを採取する。
結果と考察
参加施設は当初5施設で開始し、本研究開始時の平成18年4月では120施設、平成19年1月には151施設となり、全国の心臓血管外科施設のうちの約3分の1が参加することとなった。
集積データ:本データベースが開始した頃は1年間で1990件集まったのみであったが、毎年増加し、本研究が開始された平成18年は14000件を越えるに至った。これまでの累計登録総数は4万件に近づきつつある。
統計処理:全累積データから欠損値や未入力などの使用不可能なデータを除きデータクリーニングを施した後に統計処理を行った。解析総数は12618で、虚血性心疾患5508,弁膜症4241,大血管2869を検討し、raw mortalityはそれぞれ2.4%、2.4%, 6.6%であった。リスクモデルを作製し、expected mortalityを算出し、これらからrisk adjusted mortalityを算出した。さらに、この3グループでのリスクモデルを作製し、術前リスクからexpected mortalityを予想するRisk Calculatorを作製した。
結論
本邦初の外科系手術全国レベル統合型データベースが始動し、初のrisk modelが作製され、risk adjusted mortalityが算出された。

公開日・更新日

公開日
2008-02-21
更新日
-