集積された医療事故事例の予防可能性の検証と防止のために必要となる費用に関する研究

文献情報

文献番号
200634080A
報告書区分
総括
研究課題名
集積された医療事故事例の予防可能性の検証と防止のために必要となる費用に関する研究
課題番号
H18-医療-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大道 久(財団法人日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
  • 寺崎 仁(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 長谷川 剛(筑波大学医学専門学群)
  • 齋藤 剛(財団法人日本医療機能評価機構 )
  • 遠矢 雅史(財団法人日本医療機能評価機構 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認定病院等において発生した重大な医療事故について、認定の継続が妥当であるかを判定するために報告を受けて集積された事故事例について、それぞれの医療事故の予防可能性について検証し、防止のために必要な費用とその効果を検討することで、医療安全のために投入されるべき予算や資源のあり方に関して一定の指針や基準を示すことを目的とする.また、病院の医療安全管理者を中心とする研究協力者会議を組織して、必要となる防止策の予算投入や人員配置のあり方について検討・協議を行って、より効果的な資源投入や予算措置に役立てる。
研究方法
認定病院等から提出される事故報告を、その趣旨を踏まえ守秘を徹底したうえで検討の対象とし、それぞれの事例の原因分析とその予防可能性を、臨床的・心理的・組織管理的観点等から検証する。これらの分析作業を通じて、事故防止に必要な費用や資源について検討し、事故事例のデータベース化を図る。また、認定病院を対象に医療安全管理の現況について基礎的調査を実施したうえで、病院の医療安全管理者等による研究協力者会議を組織し、事故の種類と特質に応じた防止策と、そのための予算の投入や人員配置のあり方について検討・協議を行う。
結果と考察
認定病院で発生した重大な医療事故は、この2ヵ年で357件、死亡事例が199件で、これらの事故事例の原因分析と予防可能性、及び防止に必要な費用などを推計する手順と方法が検討された。一方、患者安全推進協議会1309病院を対象に医療安全と費用に関する基礎的調査を実施して741病院から回答を得、専従リスクマネジャーの配置や感染対策チームの活動状況、研修予算の確保状況等が明らかとなった。医療安全と費用に関して非常に関心があるとした病院が86%に及び、医療安全管理者による「医療安全とコストに関する検討会」を組織して今後の調査研究を進める。

結論
報告された事故事例を集積し、それらの基本分類を行って事故原因や対応された防止策の概要を取りまとめた。今後は、それらの事例の予防可能性と防止策に要した費用の推定を積み重ねて行く予定である。また、今年度に実施された調査結果を踏まえて、限られた予算や資源をどこに投入すれば効果的であるかについて「医療安全とコストに関する検討会」において検討してゆく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-06-27
更新日
-