歯科医師国家試験における実技試験の客観的評価に向けたシミュレーション・システムの開発

文献情報

文献番号
200634049A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医師国家試験における実技試験の客観的評価に向けたシミュレーション・システムの開発
課題番号
H17-医療-一般-018
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
川添 堯彬(大阪歯科大学 有歯補綴咬合学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎 隆(昭和大学歯学部歯科理工学)
  • 天笠 光雄(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究所口腔外科学)
  • 道脇 幸博(武蔵野赤十字病院)
  • 槇 宏太郎(昭和大学歯学部歯科矯正学)
  • 鶴本 明久(鶴見大学歯学部予防歯科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
歯科医師国家試験に実技試験を導入するために,適切で実現可能な試験方法ならびに評価方法を確立すること,および将来の試験媒体として新たなシミュレーションシステムの可能性を検討することの2点が本研究の目的である。
研究方法
1.客観性を担保した実技試験の確立
(1)補綴系実技試験課題に考えられるアルジネート印象採得のデータに含まれる5項目相互の関連性を検討するために項目間の相関分析およびバリマックス回転による因子分析を行った。さらに,4人の評価者で実施された4課題それぞれの平均点の比較および標準化データ(偏差値)を算出し,その安定性について検討した
(2)計測システムの改良とともに,あわせて受験者情報の管理方法について検討した。
2.試験媒体としてシミュレーション・システムの開発
(1)「歯科医師国家試験の技術能力評価等に関する検討会報告書」と本研究班の成果から歯科医師国家試験実技試験で課題となるべき「基本的な臨床技能」の素案を検討した。さらに,歯科医療において可能なPOMRを検討した。
(2)患者シミュレーションロボットに,舌運動の高次化,動作の安定性の向上を図った。さらに,医療面接におけるコミュニケーション能力の向上を目的とした,問診用会話プログラムの開発を行った。

結果と考察
1.客観性を担保した実技試験の確立
(1)項目間相互には強い相関が認められ,因子分析の結果もほぼ5項目が第1因子に集約していた。標準化データ(偏差値)により40点以下の者の率で評価すると評価者間および課題間に比較的安定した結果が得られた。
(2)形成済みの人工歯を計測システムに自動的に搬送して設置するために,自動フィーダおよび自動取り付け治具を開発した。
2.試験媒体としてシミュレーション・システムの開発
(1)病態を再現したシミュレーション模型とレントゲン写真,当該モデル患者に関する模擬診療録を配布することで,A-1.実技試験課題(案)を生かしつつ臨床の流れに沿った実技試験が可能と考えられた。歯科医療において可能なPOMRを立案し,実際の一般臨床での試行できた。
(2)患者シミュレーションロボットを用いて,実際に実習を行いこのロボットの評価を行ったところ,教育的な有用性を示した。
結論
これまで利用されてきた顎模型とマネキンを組み合わせた単なるシミュレーション・システムを超えて、新しい世代の教育システムなどの進歩の可能性をみた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
-