歯科分野における診療ガイドライン構築に関する総合的研究

文献情報

文献番号
200634048A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科分野における診療ガイドライン構築に関する総合的研究
課題番号
H17-医療-一般-017
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
石井 拓男(東京歯科大学社会歯科学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 市川 哲雄(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部再生修復医歯学部門・顎口腔再建医学講座・顎顔面補綴学分野)
  • 川崎 浩二(長崎大学医学部・歯学部附属病院 地域医療連携センター)
  • 櫻井 薫(東京歯科大学有床義歯補綴学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.昨年度の本研究で入手した診療ガイドライン(以下、診療GL)に関する情報を歯科界の各臨床研究分野の方々に共有してもらい、今後の歯科医療分野における診療GLについて議論を深める。2.歯科診療GLを作成する準備段階として、国内外における歯科関連の診療GLと称される文献を検証し、今後の歯科診療GLはどう作成されるべきかを検討する。3.4.歯科分野における診療GL作成のための基盤整備の一環として、歯科領域における診療GLの現在及び今後の作成への取組について把握する。5. 昨年度の事業で作成した「補綴治療の難易度を測定するプロトコル(JPS Version 1.04)」の信頼性と妥当性を検討する。
研究方法
1.平成18年7月6日にシンポジウム「歯科領域における診療GLのあり方について」を開催した。2.英文の歯科関連の診療GL60編を和訳し、内容について検討を加えた。3.日本歯科医学会専門分科会のうち歯科臨床系の15学会を対象にアンケート調査を行った。4.一般開業歯科医5347名を対象に診療GLに関する認知度等のアンケート調査を行った。5.「補綴治療の難易度を測定するプロトコル(JPS Version 1.04)」をもちいて、多施設参加によるトライアルを行った。
結果と考察
2.歯科領域においては、Evidence-based Guidelineは9編と極めて少ない状態であった。3.すべての学会で診療GLに対する取組を行っているという回答を得た。平成18年12月現在取り組まれている診療GLは25で、うち1つは作成済みであり、作成中のものが12であった。Mindsの周知度は良好であったが、EBMにのっとった診療GL作成の体制整備は、不十分であった。4.1,746名(回答率32.7%)の回答を得た。EBMに対する認知度は医師よりも低いものの、好意的に認知されている傾向がうかがわれた。また、EBMを用いた診療GLについても好意的に期待が寄せられている傾向がうかがわれたが、今後、普及啓蒙と診療GL作成のための適切な環境整備が必要性と考えられる回答も見受けられた。5.口腔内の形態的条件、身体社会的条件、口腔関連QOLおよび精神医学的条件においては信頼性に問題はなかった。診療GLを用いることで診療行為の改善等パフォーマンスの評価が重要になるが、本調査はそれに十分に対応していると考えられた。
結論
歯科領域のEvidence-based診療GLを今後どのように作成していくべきかについて、十分検討することが必要と思われた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
-