脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200634016A
報告書区分
総括
研究課題名
脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究
課題番号
H16-医療-一般-018
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
宇都宮 光明(財団法人全国療術研究財団)
研究分担者(所属機関)
  • 福田   潤(財団法人全国療術研究財団)
  • 松本 徳太郎(全国療術師協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成3年の医事課長通知によって、カイロプラクティックなどの手技療法を行う際の禁忌症が通知された。
 この研究は、医事課長通知の趣旨を生かし、カイロプラクティックなどの施術を受ける患者の安全を確保するために、施術者に対し、患者が禁忌症等リスクの高い者である可能性があると考えられたとき、どのような基準で禁忌症かどうかを判断するのか、その場合にはどのようにして安全性を担保するかの基準を作成することを目的とした。
研究方法
 アメリカ合衆国及びカナダの法制度のあり方や、国内の施術現場での施術者や患者の意識調査の結果を踏まえ、WHOの作成したカイロプラクティックの安全性に関するガイドラインも参考にしながら、血液検査や画像検査などの結果を利用できないことを前提に、施術者がリスクの程度を判断し安全性を担保する基準及び対応法を整理した「カイロプラクティック等における禁忌症ガイドライン(案)」を作成し、カイロプラクティック等の関係団体28団体に対して、同ガイドライン案を提示して意見を求め、広く意見の集約に努めて、施術に関するガイドラインとして完成させた。
結果と考察
[結果]
 多くの禁忌症は、医学的に鑑別診断を行う上では画像診断や血液検査等が必要であるが、カイロプラクティックなどの施術者には、このような検査を実施する権限が与えられていない。このため禁忌症かどうかを判断するためには、患者本人が申告する場合を除き、診断基準のうち、外形的に分かる項目を利用するしかないことが判明した。また、禁忌症とされる疾患のなかにカイロプラクティックなどの施術所で施術を受けることはない病名が含まれているとの意見があった。
[考察]
 禁忌症等に関する診断基準中、外形的に判断が可能な事項を明確にし、その範囲についてカイロプラクティックなどの施術者に周知させ、禁忌症が疑われるものについては患者本人に確認・医療機関の受診を勧奨することを前提に慎重に対応するよう指導する必要がある。

結論
 カイロプラクティックなどの施術者の知識水準が多様であることと、外見的にしか判断できないことを前提に、患者の安全確保の観点から施術者が遵守すべき判断基準及び対応方法としてガイドラインを作成した。今後、当ガイドラインについて施術者が学習していく機会を確保するとともに、施術者が現実に行っている施術法等を考慮して、このガイドラインの改正を重ねていくことが重要である。

公開日・更新日

公開日
2008-04-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200634016B
報告書区分
総合
研究課題名
脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究
課題番号
H16-医療-一般-018
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
宇都宮 光明(財団法人全国療術研究財団)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

行政効果報告

文献番号
200634016C