病院機能評価に連動した継続的改善システムの基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
200634009A
報告書区分
総括
研究課題名
病院機能評価に連動した継続的改善システムの基盤整備に関する研究
課題番号
H16-医療-一般-010
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
梅里 良正(財団法人日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
  • 大道 久(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 寺崎 仁(財団法人日本医療機能評価機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院の改善を支援する仕組みとして第三者による病院機能評価は一定の普及・定着を見せているが、一方で多くの病院が改善すべき課題を残したまま受審している状況が見出され、改善活動の継続性が課題となっている。そこで本研究では、病院機能評価の受審時のみならず、病院の改善活動が継続的になされるよう支援する仕組みについて検討することを目的とする。今年度は評価項目の適合度・到達度を示す評価判定指針をより明確化することによって、具体的な病院の改善指標として整備することを目的とする。
研究方法
平成17年度に日本医療機能評価機構の病院機能評価を受審した484病院について病院属性や審査結果データを分析した。次に、受審病院が抱えている改善課題の明確化を図るために、前年度までの研究で抽出されている評価項目群に評価調査者の視点から優先順位を付け、各項目について最低基準や理想的基準を検討した。それらを集約し、評価判定指針の改定案を作成した。
結果と考察
平成17年度は病院機能評価項目体系がVer4からVer5に移行した関係で、Ver4受審病院が203病院、Ver5受審病院が281病院となった。審査結果については、新規受審・更新受審とも初回の審査で改善が必要な課題を指摘される割合が8割を超えており、評点2以下となる割合が高い評価項目についても、これまでの傾向と同様であった。また、評価調査者によって評価判定指針の明確化を行い、手術・麻酔機能や病理診断機能と人員配置の関係、画像診断の体制、時間外・夜間の対応体制の評価、抗がん剤などの調製・混合業務や薬剤管理指導業務など薬剤管理機能、病棟や外来におけるプライバシー確保の評価、病院感染対策と感染性廃棄物の適切な取扱い、症状緩和と疼痛緩和の評価などについて評価判定指針案を検討した。さらに施設基準、救急告示の有無、施設環境、救急入院患者数、時間外・救急患者数から救急機能の地域における役割を判断するフローシートを開発した。
結論
受審病院の改善支援のために評価判定指針の充実や救急役割判断フローシートを考案した。これによって受審病院の改善目標の明確化や審査業務の精度向上などが期待される。しかし検討すべき対象項目として抽出されたが、十分な検討に至らなかった項目も残されている。したがって、本研究の検討成果をベースにしてさらにその他の項目についても検討を進め、病院機能評価に適用することが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2018-06-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200634009B
報告書区分
総合
研究課題名
病院機能評価に連動した継続的改善システムの基盤整備に関する研究
課題番号
H16-医療-一般-010
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
梅里 良正(財団法人日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
  • 大道 久(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 寺崎 仁(財団法人日本医療機能評価機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成18年度末には病院機能評価受審病院数が2600を超えることが見込まれるなど、病院機能評価は社会的に一定の普及・定着を見せている。一方で新規受審・更新受審病院ともに、一度の審査で認定される割合が低下傾向にあり、改善すべき課題を残したまま受審している状況が見出されている。そこで本研究では、これまでの病院機能評価受審データの分析等に基づいて改善のための指標や優先的に取り組むべき評価項目などを明らかにし、病院の改善活動が日常的・継続的になされるよう支援するための基盤について検討することを目的とする。
研究方法
初年度(H16年度)は前年度までに受審した病院の現況調査データ、病院機能評価結果データから、質の向上等にかかわる要因分析を行い、医療機関の実施すべき方向性を検討した。
H17年度は、Ver4で受審した全病院を対象としてあらためて病院属性、評点・判定結果を集計し、難易度や集約可能性の観点から重点支援項目を抽出した。
H18年度はVer5で受審した病院のデータに基づいて評価判定指針との関連を検討し評価結果の精度等を確認するとともに、病院の改善活動の判断材料になるデータを提供することができるよう、評価判定指針の明確化に向けて検討した。
結果と考察
質の向上等に関わる要因分析から、管理者のリーダーシップと経営管理体制の関連について病床規模によって影響が異なること、人員配置とケア等の適切な実施の関連について職種や院内の役割等によって評価が異なることなど、今後の病院機能評価において参考とすべき知見が得られた。また、重点支援項目として、中小規模の新規受審病院を想定した評価項目セット、受審病院の更新までの期間における簡易なチェックリスト、という目的に応じて評価項目を縮約することを検討し、重点支援項目案を得た。さらに、評価判定指針の明確化の検討から、手術・麻酔機能や病理診断機能と人員配置の関係、時間外・夜間の対応体制の評価、抗がん剤などの調製・混合業務や薬剤管理指導業務など薬剤管理機能、病院感染対策と感染性廃棄物の適切な取扱いなどについて評価判定指針案を検討した。
結論
これまでに蓄積された病院機能評価結果のデータに基づいて、要因分析や重点項目の抽出を行うとともに、評価判定指針の明確化などの成果を得た。これらによって受審病院の改善目標の明確化や審査業務の精度向上などが図られ、ひいてはわが国の病院医療の質の向上につながることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2018-06-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200634009C