医療放射線分野における法令整備等含めた管理体制に関する研究

文献情報

文献番号
200634007A
報告書区分
総括
研究課題名
医療放射線分野における法令整備等含めた管理体制に関する研究
課題番号
H16-医療-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
油野 民雄(旭川医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 浩(横浜労災病院)
  • 小林 一三(国立国際医療センター)
  • 山口 一郎(国立保健医療科学院)
  • 草間 経二((社)日本アイソトープ協会)
  • 日下部 きよ子(東京女子医科大学 医学部)
  • 細野 眞(近畿大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
IAEAが提唱した「国際基本安全基準」(BSS)の医療法への取り入れによる国際調和を図り、かつ我が国の医療実態に即した医療放射線の安全文化を達成するための管理体制の確立に資することを目的とする。
研究方法
過去2年間の検討結果を踏まえ、国際調和を図りつつ、わが国の医療放射線防護体系に関する素案作成についての検討、及び規則改正に伴い行政と医療機関の共通認識に立脚したマニュアル作成を行った。
結果と考察
①法規制と医療機関における実態との乖離部分の対策(案)の作成、及び医療法施行規則並びに通知等に関し、放射線防護上の共通認識を図るための調査と整理の検討を継続し、医療行政が利用可能な疑義解釈を作成した。また、複数のエックス線管球と複数の高電圧発生装置を搭載するエックス線装置による新しい放射線の利用形態における環境整備と方策提言を行うとともに、NCRP Report No.147(2005年改訂)(エックス線診療施設の遮へい構造設計)について解析し、No.147で取り入れられているエックス線の漏えい線量評価に係わる因子を、早急に医療法施行規則に取り入れる重要性について、医薬発第188号通知(平成13年3月12日)のエックス線防護に関する改正案作成に資する検討を行った。さらに、我が国にも導入予定の非ホジキンリンパ腫に対する放射免疫療法(Y-90 イブリツモブ チウキセタン療法)の実施を想定して、患者以外の第三者に対する被ばく線量を試算し、当該放射性医薬品を投与された患者の退出基準を作成した。②わが国における医療放射線源セキュリティ確保のための制度化方策、及びわが国における医療放射線防護に関する規制体系創出について提案した。③医療機関の社会的信頼性及び経済的要因を考慮しつつ、かつ医療施設から排出される放射性廃棄物安全管理の重要性を管理者に啓発する側面を盛り込んだアンケート調査を引き続き実施し、その結果を取り纏めて、放射性廃棄物合理的管理に関するシステムを最終的に作成した。また、法令改正を受け、これを遵守するための「陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の使用に伴い発生する医療用放射性汚染物の処分に関するガイドライン案」及び「陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の使用に伴い発生する固体状の医療放射性汚染物の収集保管と処分に関するマニュアル案」を作成した。
結論
本研究により得られた種々の成果は、医療放射線分野におけるわが国のあるべき管理体制の創出に資するための基礎資料を提供し、かつ放射線における患者を中心とした医療安全の確保に貢献するものである。

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
-

文献情報

文献番号
200634007B
報告書区分
総合
研究課題名
医療放射線分野における法令整備等含めた管理体制に関する研究
課題番号
H16-医療-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
油野 民雄(旭川医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 浩(横浜労災病院)
  • 小林 一三(国立国際医療センター)
  • 山口 一郎(国立保健医療科学院)
  • 草間 経二((社)アイソトープ協会)
  • 日下部 きよ子(東京女子医科大学 医学部)
  • 細野 眞(近畿大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
IAEAが勧告した「国際基本安全基準」(BSS)の医療法への取り入れによる国際調和を図り、かつ、わが国の医療実態に即した医療放射線の安全文化を達成するための管理体制の確立に資することを目的とする。
研究方法
①医療法への国際免除レベルの取り入れ等に関する研究、②医療放射線の安全管理体制の制度化に関する研究、および③医療放射性廃棄物のクリアランスに関する研究の3項目に大別して実施した。
結果と考察
①放射線障害防止法における「国際免除レベル」取り入れによる規制機能の抜本改正に伴い、医療法施行規則の放射線防護における安全管理に関する中短期的な法整備の必要性、医療安全の確保について検討し、法規制と医療機関における実態との乖離部分の対策(案)の作成、「国際免除レベル」取り入れ等にかかる医療法施行規則改正に資する提言、および医療法施行規則並びに通知に関して、医療行政等が利用可能な疑義解釈作成の点で貢献できた。②放射線源のセキュリティ対策と規制等に関するIAEA等の国際機関および諸外国の動向および対応を把握することにより、わが国における医療放射線源のセキュリティの制度化方策を提案することができた。さらに、中長期的に展望する医療放射線の安全規制に関する検討では、医療放射線の防護体系の整備等について、IAEAのBSS、安全指針(RS-G-1.5)、ICRP勧告(2005年ドラフト)および諸外国の指針等の調査、解析より、わが国における医療放射線防護に関する規制体系の創出について提案することができた。③医療機関の社会的信頼性および経済的要因を考慮しつつ、かつ医療施設から排出される放射性廃棄物の安全管理の重要性を管理者に啓発する側面を盛り込んだアンケート調査を各施設に実施したが、その結果を取り纏めて、放射性廃棄物の合理的管理に関するシステムを最終的に作成することができた。最後に、「医療放射線分野における法令整備等含めた管理体制」のテーマでシンポジウムを開催し、本研究の成果を公開すると同時に、医療関係者および行政関係者等との横断的討論を通じて、医療放射線分野の医療安全に係わる重要性を広く周知すると共に本研究のより充実した成果を達成するために寄与できた。
結論
本研究により得られた種々の成果は、放射線分野におけるわが国のあるべき管理体制の創出に資するための基礎資料を提供し、かつ医療放射線における患者を中心とした医療安全の確保に貢献するものである。

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200634007C