医療チューブ類事故防止対策に関する学際的探索研究

文献情報

文献番号
200634006A
報告書区分
総括
研究課題名
医療チューブ類事故防止対策に関する学際的探索研究
課題番号
H16-医療-一般-007
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山内 豊明(名古屋大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 相馬 孝博(名古屋大学 医学部)
  • 道又 元裕(日本看護協会 看護研修学校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究(1)では、静脈ラインから持続的に薬剤を投与・管理する際の確認行為を確実に行なうために点滴治療を受ける患者の観察・管理を行なう際に最低限チェックすべき項目を抽出し、臨床現場で簡便に使用することが出来る点滴中の事故を未然に防ぐためのツールとして点滴用チェックラベルを作成することを目的とし、研究(2)では研究(1)において作成したの有効性や実現性について、ならびに実用に向けての課題等を検討することを目的とした。
研究方法
研究(1)では、医療チューブ類の事故のなかでも特に「静脈ライン」の使用・管理に焦点を当て、静脈ラインから薬剤を投与する際の事故を未然に防ぐためのチェック事項の絞り込みを行うために、ヒヤリ・ハット事例収集事業第10回~14回の記述事例をもとに医療チューブ類事故に関する事例の傾向分析を行い、研究(2)においては臨床場面にて試行的な運用を行い聞き取り調査を行った。
結果と考察
研究(1)により、確実にチェックすべき項目は、①薬剤は正しいか、②患者名は正しいか、③投与日時は正しいか、④薬剤は流れているか、⑤滴下速度は正しいか、⑥刺入部に漏れはないか、に絞り込むことができた。これをおさえて、さらに事故に繋がりやすい「モノ・人・指示の分離」を防ぎ、実施とその記録が別々にならないように工夫された実践的な点滴チェックラベルを考案することができた。この成果物である点滴チェックラベルを用いて、研究(2)において臨床場面での試行およびそこでの聞き取り調査から、簡便性・経済性を持ちならがも、実用性が高いものであることが伺われ、臨床場面における有用性が期待できることと実用についての課題を明らかにした。
結論
理想的にはバーコードによる個人認証・薬剤認証・ケア行為認証が完備されることが望ましいが、財務面、人員面などリソースについての様々な課題は一朝一夕には解決が難しいのは言うに及ばない。その理想の環境になるまで医療を停める訳にもいかない。今回考案し試行したチェックリストラベル方式は、特殊な機器や大掛かりなシステム構築を待たなくとも比較的容易に導入できるものであると考えられ、国民の医療安全に寄与するものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-06-27
更新日
-

文献情報

文献番号
200634006B
報告書区分
総合
研究課題名
医療チューブ類事故防止対策に関する学際的探索研究
課題番号
H16-医療-一般-007
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山内 豊明(名古屋大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 相馬 孝博(名古屋大学 医学部)
  • 道又 元裕(日本看護協会 看護研修学校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒヤリ・ハット報告を活用し、ドレーン・チューブ類の使用・管理に関して医療環境の要因および発生状況を含めた分析し、その発生要因について時系列に整理なおすことから新たな切り口を見出すとともに、発生要因について多変量解析を行い、因子を特定し因果モデルを構成することを目的とした。その上で、最低限チェックすべき項目を抽出し、臨床現場で簡便に使用することが出来る点滴中の事故を未然に防ぐためのツールとして点滴用チェックラベルを作成することで実践場面に適応が可能であり、有用性の高い具体的な事故防止に繋がる提案を目指した。
研究方法
厚生労働省の医療安全対策事業において各医療機関から収集されたヒヤリ・ハット事例を一次データとして二次分析を行った。そしてドレーン・チューブ類の使用に際し、エラーはどの部位でどのように生じているのかを明らかにすることを目的として再分類し、ドレーン・チューブ類の使用・管理に関する事例の発生要因に設定されている66項目に因子分析を行い、探索的、検証的に構成概念の検討を行った。それらをもとにチェック項目を絞り込み臨床場面にて試行的な運用を行い聞き取り調査を行った。
結果と考察
点滴注射において確実にチェックすべき項目は、①薬剤は正しいか、②患者名は正しいか、③投与日時は正しいか、④薬剤は流れているか、⑤滴下速度は正しいか、⑥刺入部に漏れはないか、に絞り込むことができた。実践的な点滴チェックラベルを考案することが、臨床場面での試行およびそこでの聞き取り調査から、簡便性・経済性を持ちならがも、実用性が高いものであることが伺われ、臨床場面における有用性が期待できることとを明らかにした。
結論
点滴事故の予防策としては、理想的にはバーコードによる個人認証・薬剤認証・ケア行為認証が完備されることが望ましいが、財務面、人員面などリソースについての様々な課題は一朝一夕には解決が難しいのは言うに及ばない。その理想の環境になるまで医療を停める訳にもいかない。今回考案し試行したチェックリストラベル方式は、特殊な機器や大掛かりなシステム構築を待たなくとも比較的容易に導入できるものであると考えられ、国民の医療安全に寄与するものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-06-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200634006C