アミロイドーシスの画期的診断・治療法に関する研究

文献情報

文献番号
200633054A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドーシスの画期的診断・治療法に関する研究
課題番号
H17-難治-一般-046
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
池田 修一(信州大学医学部内科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 安東 由喜雄(熊本大学医学薬学研究部病態情報解析学講座)
  • 石原 得博(山口大学医学部構造制御病態学講座)
  • 金子 清俊(東京医科大学医学部生理学第二講座)
  • 樋口 京一(信州大学医学部加齢適応研究センター脈管病態分野)
  • 松田 正之(信州大学医学部内科学講座)
  • 祖父江 元(名古屋大学大学院医学系研究科神経内科)
  • 中野 正明(新潟大学医学部保健学科臨床生体情報学講座)
  • 山田 正仁(金沢大学大学院脳老化・神経病態学)
  • 宇根 有美(麻布大学獣医学科病理学教室)
  • 松田 博史(埼玉医科大学病院核医学)
  • 満屋 裕明(熊本大学医学薬学研究部血液内科)
  • 亀谷 富由樹(東京都精神医学総合研究所分子神経生物)
  • 山田 学(動物衛生研究所ウイルス病研究チーム)
  • 松井 高峯(帯広畜産大学獣医学科病態獣医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
アミロイド沈着に特異的画像診断法を開発し、また全身性アミロイドーシスの成因を解明することで個々の病気型に有効な新規薬物治療法を確立する。
研究方法
II. アミロイドーシスの画期的診断法
RI-imageによるアミロイド沈着臓器の鋭敏な検出法
II. アミロイドーシスの病態解明
AAアミロイドーシスの伝播の可能性について、大型の実験動物系を作成する。また家族性地中海熱のわが国における実態を調査する。
III.アミロイドーシスの画期的治療法
1)ALアミロイドーシス:対象患者にVAD療法を単独で行う群、VAD導入療法後Auto-PBSCTを併用したメルファラン大量静注療法を行う群とで治療効果を比較する。
2)AAアミロイドーシス:進行期患者の腎機能管理の方法を検討する。
3)FAP: 海外から輸入した薬剤diflunisalによるFAP患者の血清中TTR分子の安定化作用、長期投与における副作用を検討する。またワクチン療法を開発する。
結果と考察
I.アミロイドーシスの診断法
99m Tc-aprotininの合成、保存条件が検討され、健常ボランティアに注射して、生理的動態を観察した。非特異的集積が軽度であった。
II. アミロイドーシスの病態に関する研究
本症罹患牛の腎臓から抽出したAAアミロイド線維を、飛節潰瘍を持つウサギに投与したところ、高率に本疾患が発症した。この実験モデルはヒトの病因解明に有用である。本疾患の原因となる家族性地中海熱(FMF)について本邦で初めて疫学調査を行い、59名患者の情報が得られた。
III.アミロイドーシスの治療法
1)ALアミロイドーシス:強力化学療法の治療評価として、血清中アミロイド原性FLC濃度とκ/λ比が検討され、前者が200mg/L以下になることが治療効果と相関していた。
2)AAアミロイドーシス:9名の患者にInfliximab、Etanercept等の生物学的製剤を導入し、その臨床経過が報告された。
3)FAP:Diflunisalは500mg/day の投与で患者血清中のTTRに特異的に結合して、本分子の安定化を計ることが示された。また本薬剤をFAP患者4名に最長2年に渡って投与されたが、有害事象がなかった。また網膜光凝固がFAPの眼病変の伸展抑制効果があることが報告された。
結論
今年度は個々の研究分野で具体的研究成果が発表され、研究は前進している。

公開日・更新日

公開日
2007-04-02
更新日
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