重症難病患者の地域医療体制の構築に関する研究

文献情報

• 文献番号: 200633049A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: 重症難病患者の地域医療体制の構築に関する研究
• 課題番号: H17-難治-一般-041
• 研究年度: 平成18(2006)年度
• 研究代表者(所属機関): 糸山 泰人(東北大学大学院医学系研究科神経内科)

研究分担者(所属機関)

• 木村　格(国立病院機構宮城病院)
• 田代　邦雄(北海道医療大学)
• 佐々木　秀直(北海道大学医学部)
• 島　功二(国立病院機構札幌南病院)
• 豊島　至(秋田大学医学部医学教育センター)
• 加藤　丈夫(山形大学医学部)
• 小野寺　宏(国立病院機構西多賀病院)
• 中野　今治(自治医科大学)
• 小川　雅文(国立精神・神経センター武蔵病院)
• 林　秀明(東京都立神経病院)
• 塩澤　全司(山梨大学医学部)
• 黒岩　義之(横浜市立大学医学部)
• 長谷川　一子(国立病院機構相模原病院)
• 西澤　正豊(新潟大学医学部)
• 中島　孝(国立病院機構新潟病院)
• 池田　修一(信州大学医学部)
• 溝口　功一(国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター)
• 祖父江　元(名古屋大学医学部)
• 犬塚　貴(岐阜大学医学部)
• 成田　有吾(三重大学医学部)
• 宮地　裕文(福井県立病院)
• 近藤　智善(和歌山県立医科大学)
• 上野　聡(奈良県立医科大学)
• 神野　進(国立病医運機構刀根山病院)
• 高橋　桂一(高橋神経内科・内科クリニック)
• 阿部　康二(岡山大学医学部)
• 中島　健二(鳥取大学医学部)
• 高橋　美枝(南国病院)
• 吉良　潤一(九州大学医学部)
• 森　照明(国立病院機構西別府病院)
• 法化図　陽一(大分県立病院)
• 渋谷　統寿(国立病院機構長崎医療センター)
• 福永　秀敏(国立病院機構南九州病院)
• 中川　正法(京都府立医科大学)
• 松本　昌泰(広島大学医学部)
• 戸田　達史(大阪大学医学部)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
• 研究開始年度: 平成17(2005)年度
• 研究終了予定年度: 平成19(2007)年度
• 研究費: 45,000,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

重度の難病患者が直面している療養上の問題、なかでも医療環境を整備し在宅療養を充実させることが本研究班の目的である。

研究方法

(1)分担研究者の地域における重症難病患者に関する医療環境の実態を検討した。特に、拠点病院や協力病院などのネットワークの整備状況と在宅医療の現状を調査した。
(2)各地域における重症難病患者が直面している療養環境上の問題、特に長期療養の場の確保と生活の質の改善の問題点を調査した。それらの解決にあたりプロジェクトチームを作った。

結果と考察

全国都道府県における難病医療ネットワークシステムの充実度は様々であるが、各地域の状況に合わせて整備していくことが必要である。しかし入院確保に関しては、医療ネットワークが整備されているところにおいても拠点病院では重症患者の長期入院が常態化している状態であり、協力病院の協力や福祉施設の参入が重要と考えられた。また在宅療養などの療養環境の改善には、家庭医を含めた病診連携や地域訪問ステーションを交えた地域ネットワーク構築が求められている。特に無床の診療所は在宅療養支援に関して潜在的可能性があるので、各地域で参加を募る方策が求められる。また在宅医療の充実にはレスパイト入院は欠かせないが、レスパイト入院に携わる医療従事職員、なかでも看護師の過剰な負担度が明らかになり人員増などの対策が求められる。重症難病患者さんが直面している療養上の問題点のなかでも特に重要度、緊急性、実現性が高いものを選んでプロジェクトチームを形成している。これらは、①難病患者の入院確保のためのプロジェクト、②災害時の難病患者に対する支援体制プロジェクト、③難病患者の医療相談に関するプロジェクト、④自動痰吸引器普及ならび在宅療養改善プロジェクト、および⑤成人難病に対する遺伝カウンセリング体制の整備である。

結論

重度の難病患者が直面している医療環境の改善には各地域の実情に合わせた難病医療ネットワークの活用が重要である。また、家庭医を含めた病診連携や地域訪問ステーションを含めた地域ネットワーク構築が求められる。難病患者の入院確保、災害時支援、医療相談、自動痰吸引器開発の4つのプロジェクトに加えて遺伝カウンセリング体制が立ち上がっている。

公開日・更新日

• 公開日: 2007-04-23
• 更新日: -