特定疾患の疫学に関する研究

文献情報

文献番号
200633047A
報告書区分
総括
研究課題名
特定疾患の疫学に関する研究
課題番号
H17-難治-一般-038
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
永井 正規(埼玉医科大学医学部公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 好一(自治医科大学地域医療学センター公衆衛生学部門)
  • 坂田 清美(岩手医科大学衛生公衆衛生学教室)
  • 土井 由利子(国立保健医療科学院疫学部社会疫学室)
  • 廣田 良夫(大阪市立大学大学院医学研究科公衆衛生学)
  • 川村 孝(京都大学保健管理センター)
  • 岡本 和士(愛知県立看護大学公衆衛生学)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院技術評価部研究動向分析室)
  • 三宅 吉博(福岡大学医学部公衆衛生学)
  • 森 満(札幌医科大学医学部公衆衛生学)
  • 黒沢 美智子(順天堂大学医学部衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国における各種難病の頻度分布を把握し、その分布を規定する要因(難病の原因他)を明らかにすること。さらに患者の予後、重症度、QOLの程度を確認すること。これによって難病の発生を予防し、進展・悪化を予防する。また、患者の保健医療福祉の各面における施策を企画・立案・実施するための厚生労働行政に科学的資料を提供し、難病対策の評価にも役立てることを目的とする。このため8つのプロジェクトを実施した。
研究方法
①全国疫学調査:全国の医療施設の標本調査により患者数を推計した。②患者フォローアップ調査:全国疫学調査から得られた患者の予後調査を行った。③臨床調査個人票データベースを利用した記述疫学:2003-2005年度医療受給者の臨床症状について集計解析した。④症例対照研究:7疾患の症例対照研究を行った。⑤特定大規模施設患者の臨床像、予後の把握:受療患者の情報を収集し、疫学像を明らかにした。⑥難治性疾患克服研究における治療法の有効性に関する調査:過去5年間に臨床班研究者が把握する121対象疾患患者の生活の障害の程度、予後、重症度を把握した。⑦行政資料による特定疾患の頻度調査:治療研究対象45疾患の疾病分類コード(ICD-8,9,10)を整理し、最長32年間の人口動態調査死亡票を指定統計の目的外使用の承認を得て入手し死亡状況を明らかにした。⑧地域コホート研究:特定の保健所が把握する医療受給者について、データベースの再構築を行った。
結果と考察
4疾患について年間推計受療患者数を明らかにした。全国疫学調査マニュアルを改訂し刊行した。IgA腎症等の予後予測因子を明らかにした。臨床調査個人票を用いて2年後までの疾患別、都道府県別の受給継続率を明らかにし、データベースの有効活用について検討した。OPLL,SLEの症例対照研究からはいくつかの生活習慣が要因としてあげられた。特定大規模施設患者のデータを用いて予後を把握するためのシステムを構築し治療法別の予後調査を計画した。後ろ向き調査からは5年後までの生存率、ADLについて121疾患を統一的に検討した。最近の難病の死亡状況の地域集積性について検討しデータブックを刊行した。パーキンソン病、潰瘍性大腸炎について記述疫学的検討を実施した。
結論
前班からの継続研究は確実に成果を出し、さらに予後の把握など、新しい研究課題についての取り組みを開始した。全国疫学調査、既存資料を用いた死亡率調査の結果から疫学班の役割である稀少難治性疾患の頻度を明らかにすることができた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
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