文献情報
文献番号
200633038A
報告書区分
総括
研究課題名
稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-029
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
北島 康雄(岐阜大学大学院医学系研究科医科学専攻病態制御学講座)
研究分担者(所属機関)
- 橋本隆(久留米大学医学部)
- 天谷雅行(慶應義塾大学医学部)
- 岩月啓氏(岡山大学大学院医歯学総合研究科)
- 許南浩(岡山大学大学院医歯学総合研究科)
- 小宮根真弓(東京大学医学部)
- 清水宏(北海道大学大学院医学研究科)
- 橋本公二(愛媛大学医学部)
- 金田安史(大阪大学医学系研究科)
- 池田志斈(順天堂大学医学部)
- 山本明美(旭川医科大学)
- 黒沢美智子(順天堂大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
44,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
平成17年度から３年計画で①天疱瘡、②膿疱性乾癬、③表皮水疱症、④水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の４疾患（①②③は難病指定）について診断基準の見直し、特定治療研究対象疾患臨床調査個人票データベース利用による疫学研究で実体の把握、原因遺伝子と臨床表現型との相関の解析、原因遺伝子、自己抗体産生と発症機序の分子生物学的解明、よって重症度判定、治療法、治療指針の改良と開発を研究目標とする。
研究方法
上記４疾患について、倫理面で十分な配慮がなされた上で各分担研究者が協力し、全国的規模での疫学的研究、症例の相互検討による治療とQOLの評価さらにゲノムうぃどな遺伝子相関解析を行った。また、分担研究者が担当の疾患の分子病態の解明、治療法の開発を行った。
結果と考察
１）①天疱瘡：新らたに病原性抗Dsg3 モノクローナル抗体(NAKmAbシリーズ)とDsg3反応性T細胞株を樹立。抑制Ｔ細胞が患者群では低頻度あることを発見。Dsg3の消失と細胞間接着力減少とが抗Dsg3mAbでも生じることを証明。②膿疱性乾癬：包括的健康関連QOL尺度MOS 36-Item SF-36 v2で膿疱性乾癬患者群のQOLと臨床的な重症度の関係について89例を解析し、紅斑と日常役割機能・精神、粘膜疹と体の痛み、活力、社会生活機能、心の健康、発熱と体の痛み、全体的健康観、社会生活機能の症状とQOL低下との相関を発見。③表皮水疱症：羊膜付き三次元培養皮膚の有用性に関する研究一部成功。胎生期骨髄移植による外来遺伝子発現皮膚の長期生着の検討中。④水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症：病因遺伝子変異と臨床型の関係、臨床疫学研究一部解析。
２）特定治療研究対象疾患臨床調査個人票データベースの解析：①天疱瘡、１年で軽症・中等度から悪化する割合は1.8%, 5.3%と僅かで、中等度・重症から軽快する割合は47.4%, 73.3%と高かった。今後2～3年間の症状や治療法と予後の関係を検討。②膿疱性乾癬、19年度に解析予定。③表皮水疱症、H16年度新規(11例)・更新(186例)、計197例について性・年齢分布、発症年齢分布、病型、社会生活状況、日常生活、経過、有症状割合を示した。４疾患のガイドライン2006を作成し、次年度作成のEBM―consensusガイドラインの土台とした。
２）特定治療研究対象疾患臨床調査個人票データベースの解析：①天疱瘡、１年で軽症・中等度から悪化する割合は1.8%, 5.3%と僅かで、中等度・重症から軽快する割合は47.4%, 73.3%と高かった。今後2～3年間の症状や治療法と予後の関係を検討。②膿疱性乾癬、19年度に解析予定。③表皮水疱症、H16年度新規(11例)・更新(186例)、計197例について性・年齢分布、発症年齢分布、病型、社会生活状況、日常生活、経過、有症状割合を示した。４疾患のガイドライン2006を作成し、次年度作成のEBM―consensusガイドラインの土台とした。
結論
上記４疾患調査研究の３年計画の第２年度の研究目標は上記のごとくほぼ達せられたと考える。
公開日・更新日
公開日
2007-04-23
更新日
-