運動失調症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200633023A
報告書区分
総括
研究課題名
運動失調症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-014
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
西澤 正豊(新潟大学脳研究所神経内科)
研究分担者(所属機関)
  • 辻 省次(東京大学医学部附属病院神経内科)
  • 服部 孝道(北海道大学大学院医学研究科神経内科学)
  • 小野寺 理(新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター)
  • 中島 健二(鳥取大学医学部脳神経内科)
  • 湯浅 龍彦(国立精神・神経センター 国府台病院神経内科)
  • 磯崎 英治(東京都立神経病院脳神経内科)
  • 貫名 信行(独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター・病因遺伝子研究グループ)
  • 糸山 泰人(東北大学大学院医学系研究科神経内科)
  • 小牟禮 修(国立病院機構宇多野病院総括診療部神経内科)
  • 永井 義隆(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝学)
  • 吉良 潤一(九州大学大学院医学研究院・神経内科分野)
  • 黒岩 義之(横浜市立大学大学院医学研究科・神経内科)
  • 和田 圭司(国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第4部)
  • 佐々木 秀直(北海道大学大学院医学研究科神経内科学)
  • 瀧山 嘉久(自治医科大学内科学講座神経内科学教室)
  • 祖父江 元(名古屋大学大学院医学系研究科・神経内科)
  • 高嶋 博(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科神経病学講座)
  • 吉田 邦広(信州大学医学部第三内科)
  • 山田 光則(新潟大学脳研究所・病理学分野)
  • 水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学)
  • 加藤 剛二(名古屋第一赤十字病院小児医療センター血液腫瘍科第三小児科)
  • 加藤 俊一(東海大学医学部基盤診療学系再生医療科学)
  • 加我 牧子(国立精神・神経センター精神保健研究所・知的障害部)
  • 鈴木 康之(岐阜大学医学部医学教育開発研究センター)
  • 今中 常雄(富山大学大学院医学薬学研究部分子細胞機能学講座)
  • 矢澤 生(国立長寿医療センター研究所・研究資源有効利用室)
  • 宮井 一郎(特定医療法人大道会森之宮病院神経リハビリテーション研究部)
  • 松浦 徹(名古屋大学大学院医学系研究科神経遺伝情報学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
運動失調を主症状とする脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、および副腎白質ジストロフィー、ペルオキシソーム病を対象として、わが国における実態と病態を解明し、病態機序に基づいた新たな治療法を確立して、これらの疾患を克服する。
研究方法
今年度は次の4つの研究プロジェクトを設定した。班員はいずれかのプロジェクト・チームに所属して研究を推進した。
1)脊髄小脳変性症SCDの自然歴研究
2)病態の進行抑制治療に関する臨床研究と基礎研究
3)大規模ゲノム解析による多系統萎縮症MSA、遺伝子未同定SCD、家族性痙性対麻痺の病態解明FSPの研究
4)副腎白質ジストロフィーALDの臨床研究とペルオキシソーム病の病態解明
結果と考察
1)臨床調査個人票を、SCDの前向き自然歴研究のデータベースとして活用するための問題点を検証した。わが国で頻度が高いMachado-Joseph病と脊髄小脳失調症6型について調査票を作成し、症例の登録を開始した。
2)ポリグルタミン鎖の凝集抑制作用をもつ物質を探索し、培養細胞系を用いてその効果を検証する治療前研究を行い、熱ショック蛋白やオートファジー系の制御をSCD治療に応用するための基礎研究を行った。
 臨床試験の実施に向けて、治療効果判定に有用な代理マーカーを探索した。小脳失調に対するリハビリテーションの方法論を確立するための臨床研究を開始した。
3)大規模ゲノム解析によるMSA・FSPの病因・病態解明を目的としたプロジェクト研究を実施し、集積された症例を解析した。puratrophin-1の変異とcontactinの変異を伴う一群について、これらの変異が責任変異か否かを検証している。
4)小児大脳型ALDにおいて造血幹細胞移植治療HSCTが速やかに施行できる体制の整備、より生着率の高いHSCTの方法論を検討した。他のペルオキシソーム病診断システムを構築した。

結論
多彩な疾患群から構成される運動失調症の病態は徐々に解明されつつあり、残された課題は病態の進行阻止による新たな治療法の開発とその臨床応用である。臨床治験の実施は非常に困難であるが、病態の進行阻止治療を目標として研究を継続した。

公開日・更新日

公開日
2007-05-02
更新日
-