中枢性摂食異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200633019A
報告書区分
総括
研究課題
中枢性摂食異常症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-010
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
芝崎 保(日本医科大学大学院医学研究科生体統御科学)
研究分担者(所属機関)
  • 乾 明夫(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 健康科学専攻社会・行動医学講座 行動医学分野)
  • 小川 佳宏(東京医科歯科大学難治疾患研究所 分子代謝医学分野)
  • 寒川 賢治(国立循環器病センター研究所)
  • 久保 千春(九州大学大学院医学研究院 心身医学)
  • 熊野 宏昭(東京大学大学院医学系研究科 ストレス防御・心身医学)
  • 児島 将康(久留米大学分子生命科学研究所 遺伝情報研究部門)
  • 櫻井 武(筑波大学基礎医学系 薬理学)
  • 鈴木 眞理(政策研究大学院大学 保健管理センター)
  • 中尾 一和(京都大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学)
  • 吉松 博信(大分大学医学部 生体分子構造機能制御講座・内科学第一)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、摂食・エネルギー代謝調節機構の解明と中枢性摂食異常症の病因、病態の基礎的・臨床的解析の成果に基づいた中枢性摂食異常症の新たな治療法および予防法を開発することである。
研究方法
基礎的研究として、摂食・エネルギー代謝調節物質およびそれらの受容体の遺伝子改変動物の解析等を行い、摂食・エネルギー代謝調節機構の解明と中枢性摂食異常症の病態に関する検討を行った。臨床的研究として、満腹イメージの摂食調節物質への影響、神経性食欲不振症の日常下での循環器機能の解析を行った。治療開発として、機能性摂食不振症や神経性食欲不振症におけるグレリンの臨床試験、一般医向けのプライマリケアガイドライン案の作成等を行った。患者を対象とした臨床的研究は患者にその意義を十分に説明し同意を得た上で、各研究施設で定められた臨床研究の規定に従い、また実験動物を用いた研究は実験動物飼育及び保管に関する基準、各研究施設における実験動物委員会の指針の下で、それぞれ行われた。
結果と考察
基礎的研究では中枢性摂食異常症の病態に関与していると考えられる脳部位のCRF2受容体の役割、前頭前野の機能の解明が進んだ。グレリン欠損マウスの表現型の解析、視床下部のレプチンに対する感受性調節機構と、レプチンやPTHrPの食欲抑制作用機序の解明、脂肪細胞に発現し脂質代謝に関与する遺伝子の特定とその機能解析等を行い、摂食・エネルギー代謝調節機構や本症の病態の解明が進んだ。臨床的研究では神経性食欲不振症の循環器系の日内変動の異常、満腹イメージと摂食調節物質との関係を明らかにした。治療法の開発では、神経性食欲振症でグレリンの消化器症状の改善作用や食欲亢進作用が確認された。一般医を対象にした神経性食欲不振症の重症度に応じたプライマリケアガイドライン案が作成された。
結論
摂食調節機構の基盤研究、中枢性摂食異常症の病因・病態に関する基礎的、臨床的研究が引き続きなされた。グレリンの神経性食欲不振症における食欲亢進効果が確認できた。次年度内に一般医向けの神経性食欲不振症のプライマリケアガイドラインの完成を目指す。