副腎ホルモン産生異常に関する調査研究

文献情報

文献番号
200633018A
報告書区分
総括
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
藤枝 憲二(旭川医科大学 医学部小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 光弘(帝塚山大学 現代生活学部)
  • 諸橋 憲一郎(自然科学研究機構 基礎生物学研究所性差生物学研究部門)
  • 加藤 茂明(東京大学 分子細胞生物学研究所核内情報研究分野)
  • 柳瀬 敏彦(九州大学大学院 医学研究院病態制御内科)
  • 田中 廣壽(東京大学 医科学研究所先端医療研究センター免疫病態分野)
  • 柴田 洋孝(慶應義塾大学 保健管理センター)
  • 笹野 公伸(東北大学大学院 医学系研究科病理診断学)
  • 宮森 勇(福井大学 医学部第3内科)
  • 宮本 薫(福井大学 医学部生命情報医科学講座分子生体情報学)
  • 大関 武彦(浜松医科大学 小児科)
  • 高柳 涼一(九州大学大学院 医学研究院病態制御内科)
  • 笠山 宗正(大阪大学大学院 医学系研究科分子病態内科)
  • 宗 友厚(岐阜大学大学院 医学研究科内分泌代謝病態学)
  • 長谷川 奉延(慶應義塾大学 医学部小児科)
  • 上芝 元(東邦大学 医学部内科学糖尿病代謝内分泌科)
  • 武田 仁勇(金沢大学大学院 医学系研究科血管分子遺伝学(第2内科))
  • 村尾 孝児(香川大学 医学部第1内科)
  • 田島 敏広(北海道大学大学院 医学研究科小児科)
  • 菅原 照夫(北海道大学大学院 医学研究科分子生化学)
  • 田村 尚久(京都大学大学院医学研究科内分泌代謝科)
  • 西川 哲男(横浜労災病院内分泌代謝内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
副腎ホルモン産生異常に関連する病態を明らかにし、それに基づいて診断法ならびに治療法を開発すること。
研究方法
分子生物学的・分子遺伝学的手法を用いて、ステロイドホルモン産生機構や作用調節機構、副腎の発生・分化、間葉系幹細胞からステロイドホルモン産生細胞への分化誘導などの基礎的実験を行った。これらの基礎的研究に加えて、アンケートによる全国調査等による疫学調査や、臨床的研究から、関連疾患の診断法や治療法に関する研究を進めた。
結果と考察
原発性アルドステロン症の診断基準と、先天性副腎低形成症の診断基準案の策定、および副腎性プレクリニカルクッシング症候群の診断基準に対する見直しを行った。副腎偶発腫瘍・副腎癌および先天性副腎過形成症の出生前診断・出生前治療に関するアンケート調査票を全国規模で行い、現在解析中である。また、北海道におけるステロイドホルモン産生異常症登録患者の解析を行った。マウス骨髄間葉系細胞株および様々なヒト間葉系細胞株から様々なステロイドホルモン産生パターンを有する細胞株の樹立、また、マウス初代培養脂肪由来間葉系幹細胞についてもマウス初代培養骨髄由来間葉系幹細胞と同様にACTH依存性に各種ステロイドを産生する細胞に形質転換されることを見出した。Ad4BP/SF1の胎仔副腎皮質特異的エンハンサーの研究、StARタンパクとの相互作用因子の探索、StARタンパクの発現調節機構に関しての研究が行われた。副腎癌に対する治療法の検討や、小児と成人における生化学的相違点について検討された。また、アルドステロン作用と心血管障害との関連、原発性アルドステロン症の臨床的診断法の検討がなされ、ステロイド合成酵素の活性に影響する因子の解析も多方面から進んでいる。グルココルチコイド受容体を中心にステロイドホルモン受容体の発現や機能に関する調節機構についても進展が認められステロイドホルモンの作用機構についての新たな知見を得ることができた。
結論
原発性アルドステロン症の診断基準の策定、および副腎性プレクリニカルクッシング症候群の診断基準に対する見直しを行った。副腎偶発腫瘍・副腎癌および先天性副腎過形成症の出生前診断・出生前治療に関するアンケート調査票を全国規模で行い、現在解析中である。また、北海道におけるステロイドホルモン産生異常症登録患者の解析を行った。骨髄由来の間葉系幹細胞がステロイドホルモン産生細胞に分化する能力を有していることが示され、再生医療の可能性を示すものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-05-02
更新日
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