文献情報
文献番号
200633013A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性血管炎に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
尾崎 承一(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
研究分担者(所属機関)
- 能勢 眞人(愛媛大学大学院医学系研究科医学専攻病態解析学講座ゲノム病理学分野)
- 石津 明洋(北海道大学医学部保健学科検査技術科学専攻病理形態機能学分野)
- 加藤 智啓(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
- 居石 克夫(九州大学大学院医学研究院病理病態学)
- 鈴木 和男(国立感染症研究所生物活性物質部第三室)
- 土屋 尚之(筑波大学大学院人間総合科学研究科社会環境医学専攻)
- 重松 宏(東京医科大学外科学第二講座)
- 浅原 孝之(東海大学医学部基盤診療学系再生医療科学)
- 岩井 武尚(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科外科・血管外科)
- 高野 照夫(日本医科大学第1内科)
- 森下 竜一(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)
- 中林 公正(杏林大学医学部第一内科学)
- 天野 宏一(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
- 小林 茂人(順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院内科)
- 古川 福実(和歌山県立医科大学皮膚科学)
- 槇野 博史(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学)
- 湯村 和子(東京女子医科大学第4内科)
- 吉田 俊治(藤田保健衛生大学医学部リウマチ感染症内科)
- 吉田 雅治(東京医科大学八王子医療センター腎臓内科)
- 山田 秀裕(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
36,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
難治性血管炎の診断・治療に関する質の高いEBMの確立および難治性血管炎の病因を解明することを目的とする。
研究方法
(1) 中小型血管炎では診断と治療のEBMの構築のための臨床研究、診断基準の見直しと寛解基準の検討を行う。
(2) 大型血管炎では遺伝子治療の臨床研究、再生医療の有用性の検討を行う。
(3) 標準的治療に抵抗性の血管炎症例に対して新規治療の試験的研究を行う。
(4) 病理および基礎研究ではゲノミクス/プロテオミクスを用いた血管炎の病因・病態解析、モデル動物の解析を行う。
(2) 大型血管炎では遺伝子治療の臨床研究、再生医療の有用性の検討を行う。
(3) 標準的治療に抵抗性の血管炎症例に対して新規治療の試験的研究を行う。
(4) 病理および基礎研究ではゲノミクス/プロテオミクスを用いた血管炎の病因・病態解析、モデル動物の解析を行う。
結果と考察
(1) MPO-ANCA関連血管炎の重症度別治療プロトコールの有用性を明らかにする前向き臨床研究を行い52症例の組み込みを終了して解析中である。副次的解析として治療前後の患者末梢血における遺伝子発現を網羅的に解析して、病態に関連する有用なマーカー遺伝子を特定した。
(2) 難治性のANCA関連血管炎に対してRituximabの有用性を検討する前向き臨床研究を行い7症例の組み込みを完了して解析中である。
(3) Buerger病に対するHGF遺伝子治療の長期解析を継続した。難治性Buerger病への血管再生医療として自己末梢血血管内皮前駆細胞移植や自己骨髄細胞移植を行い良好な成績を得た。Buerger病の病因としての歯周病菌の意義を解析した。
(4) 難治性の高安動脈炎と側頭動脈炎の症例に対してInfliximabの有用性を検討した。
(5) 疫学的研究として結節性動脈周囲炎、Wegener肉芽腫症、悪性関節リウマチ、高安動脈炎、Buerger病につき臨床個人調査票の電子化データを入手して解析した。結節性多発動脈炎と顕微鏡的多発血管炎の臨床個人調査票を明確に区分した。
(6) ゲノム解析によりANCA関連血管炎患者における感受性遺伝子を同定した。プロテオミクスの手法により抗血管内皮細胞抗体の新規対応抗原および血管炎特異的な血清ペプチド分子の同定に成功した。モデル動物における血管炎の病理発症の解析、血管炎感受性遺伝子の同定、候補遺伝子の蛋白質合成などで成果が得られた。
(2) 難治性のANCA関連血管炎に対してRituximabの有用性を検討する前向き臨床研究を行い7症例の組み込みを完了して解析中である。
(3) Buerger病に対するHGF遺伝子治療の長期解析を継続した。難治性Buerger病への血管再生医療として自己末梢血血管内皮前駆細胞移植や自己骨髄細胞移植を行い良好な成績を得た。Buerger病の病因としての歯周病菌の意義を解析した。
(4) 難治性の高安動脈炎と側頭動脈炎の症例に対してInfliximabの有用性を検討した。
(5) 疫学的研究として結節性動脈周囲炎、Wegener肉芽腫症、悪性関節リウマチ、高安動脈炎、Buerger病につき臨床個人調査票の電子化データを入手して解析した。結節性多発動脈炎と顕微鏡的多発血管炎の臨床個人調査票を明確に区分した。
(6) ゲノム解析によりANCA関連血管炎患者における感受性遺伝子を同定した。プロテオミクスの手法により抗血管内皮細胞抗体の新規対応抗原および血管炎特異的な血清ペプチド分子の同定に成功した。モデル動物における血管炎の病理発症の解析、血管炎感受性遺伝子の同定、候補遺伝子の蛋白質合成などで成果が得られた。
結論
MPO-ANCA関連血管炎における標準的治療の前向き臨床試験を行った。治療抵抗性の血管炎に対する生物学的製剤の有用性の検討を行った。難治性Buerger病への再生医療の応用で良好な成績を得た。ゲノミクス/プロテオミクスを用いて血管炎感受性遺伝子、病態関連遺伝子、疾患特異的ペプチド分子、および、新規自己抗原の同定に成功した。モデル動物による血管炎の病理発症の解析を行い新知見を得た。
公開日・更新日
公開日
2007-04-02
更新日
-