血液凝固異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200633011A
報告書区分
総括
研究課題名
血液凝固異常症に関する調査研究
課題番号
H17-難治-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
池田 康夫(慶應義塾大学 医学部内科)
研究分担者(所属機関)
  • 藤村欣吾(広島国際大学 薬学部)
  • 倉田義之(大阪大学 医学部付属病院)
  • 桑名正隆(慶應義塾大学 医学部内科)
  • 宮田敏行(国立循環器病センター 研究所病因部)
  • 村田満(慶應義塾大学 医学部中央臨床検査部)
  • 小嶋哲人(名古屋大学 医学部保健学科)
  • 川﨑富夫(大阪大学 医学部心臓血管外科)
  • 坂田洋一(自治医科大学 分子病態治療研究センター)
  • 小林隆夫(信州大学 医学部保健学科)
  • 藤村吉博(奈良県立医科大学 輸血部)
  • 和田英夫(三重大学 医学部臨床検査医学)
  • 辻肇(京都府立医科大学 輸血部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
38,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究組織を特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性微少血管障害症(TMA),特発性血栓症、深部静脈血栓症/肺塞栓の4つテーマ毎に関してサブグループに分け、これら疾患の分子病態解析に基づいた診断基準,治療指針の確立および我が国における正確な発症頻度や予後の把握を目的とした。
研究方法
それぞれのサブグループごとに適切な研究方法を採用した。しかしながら、サブグループはそれぞれの課題に取り組むとともに、グループ間の相互議論を活発に行うことによって出血性疾患・血栓性疾患の理解を深めるように計画された。
結果と考察
ITPサブグループではITPの診断、治療のガイドラインの作成と疫学調査を行い、疫学研究、診断基準と治療ガイドラインの策定を行った。今回約30年ぶりに行ったITPの疫学調査で20?30年前に比し患者年齢が上昇していることが明らかとなった。ITP治療で最も問題なのは予後及びQOLに影響する難治例対策である。難治例をどう治療してゆくか、さらには一歩進んでいかにして難治症例を少なくする初回治療を行うかを今後構築する必要がある。TMAサブグループではこれまでTMAの中でも特に先天性の血栓性血小板減少性紫斑病の患者発掘とその遺伝子解析に焦点を合わせて多大な成果を挙げてきたが2006年12月末で本研究班として集積した本邦TMA症例数は786例と世界に類を見ないデータベースとなった。これらの中から、基礎疾患別に解析を進めているが、妊娠発症のUpshaw-Shulman症候群や、乳幼児期発症の後天性・特発性TTPなど、従来その存在が良く知られていなかった疾患が明らかになってきた。特発性血栓症サブグループでは静脈血栓症の治療と予防に関するアンケート調査を行うとともに、多施設共同で静脈血栓症患者を大規模に収集し遺伝子解析を行った。また本邦における静脈血栓症に対するワルファリン使用の実態調査研究を行った。DVT/PEサブグループではエコノミークラス症候群(旅行者血栓症)としても広く一般にも知られる本疾患に対して、現況を調査し、もって医療従事者はもちろん、国民にも本疾患を広く周知徹底するとともに、医療行政や災害対策の一助とした。肺塞栓症と深部静脈血栓症の頻度、臨床的特徴の検討、日本の精神科病棟入院患者における肺血栓塞栓症に関する検討、新潟県中越地震被災者の慢性期静脈血栓に対する調査が行われた。
結論
4疾患について疫学調査、診断、治療のガイドラインの作成等を行った。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
-