自殺未遂者および自殺者遺族等へのケアに関する研究

文献情報

文献番号
200632059A
報告書区分
総括
研究課題名
自殺未遂者および自殺者遺族等へのケアに関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H18-こころ-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 弘人(国立精神・神経センター精神保健研究所社会精神保健部)
研究分担者(所属機関)
  • 有賀 徹(昭和大学 医学部)
  • 川野 健治(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 瀬戸屋 雄太郎(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、自殺対策基本法に鑑み、未遂者・遺族へのケアという複合的な課題についての現状を整理し課題を抽出することである。
研究方法
1)遺族ケアについては、(1)自殺者遺族支援グループ代表者への活動状況等に関するアンケート調査、(2)精神保健センター職員への遺族支援研修案の開発、(3)検討会での遺族ケアの現状把握と指針の作成を実施した。
2)未遂者ケアについては、ガイドライン作成の課題抽出を目的として、(1)自殺未遂の背景および自殺予防対策との関連性についての文献調査、(2)高度救命救急センターでの介入の実態と効果に関する調査の要約を実施した。
3)自殺未遂者および自殺者遺族への情報提供のためのリーフレット作成を目的とし、コアメンバー間、現場担当者間、有識者間での各検討会における意見収集を行った。
4)精神科医101名を対象とした希死念慮者への対応に関するアンケート調査を実施した。
結果と考察
1)(1)資金やスタッフの確保、研修の機会が困難であり、行政からの支援が求められている。(2)講義とワークショップによる自殺者遺族支援のための体験的研修プログラムを実施し、参加者53名中50名から有意義であったとの回答を得た。(3)遺族支援は、社会的啓発、遺族へのアプローチ方法の検討、ケアの場の提供、ケア内容の検討を踏まえてなされるべきとの指針が示された。
2)(1)自殺未遂がその後の自殺の最大危険予測因子であり、病気・身体問題がその最多の動機であること、また予後調査において介入の効果があったことが確認された。(2)自傷行為と自殺未遂、自殺は連続したものであり、自殺関連行動まで視野に入れた幅広い取り組みが欠かせないことが示唆された。
3)手記や医療機関等の連絡先を盛り込んだリーフレットを作成した。
4)精神科病院では「必ず回復することを伝える」「死なないことを約束する」などのメッセージが効果的であるとされていた。
結論
本研究によって未遂者ケア・遺族ケアの現状整理と課題が明らかとなった。遺族ケアについては遺族支援グループへのアンケート調査およびケアの指針作成から、官民の密接な連携と遺族の多様性を考慮したケアを実施する必要性が明らかになった。未遂者ケアについては文献調査および希死念慮者への調査から、医療現場での既存の資源を活用しつつ、他の多様な社会資源の活用、家族と当事者への支援についてさらに検討を加えることが課題として示された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-