RNAiを用いた神経・筋疾患の画期的治療法の開発

文献情報

文献番号
200632042A
報告書区分
総括
研究課題名
RNAiを用いた神経・筋疾患の画期的治療法の開発
課題番号
H17-こころ-一般-021
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 横田 隆徳(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学分野)
  • 宮岸 真(東京大学大学院医学系研究科附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
26,399,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、アルツハイマー病などの神経変性疾患や脳血管障害、多発性硬化症、ウイルス感染症などに対するsiRNAを用いた画期的治療法の開発を推進する。
研究方法
対象疾患に対する特異的siRNAを設計し培養細胞にてその効果を評価するとともに、siRNA過剰発現トランスジェニックマウスを作製し、当該疾患モデル動物との掛け合わせによりその治療効果を判定する。臨床応用がより行いやすいと思われるウイルス感染症の検討も続ける。ベクターとデリバリーの改良を進め、副作用の検証とその克服を行いつつ臨床応用へ近づける。
結果と考察
SOD1遺伝子変異による家族性ALSマウスモデルの発症と進行を著明に抑制出来ることを証明した。また、あらゆる遺伝子変異に対応可能なRNAi手法を活用してSOD1 siRNAマウスにおけるSOD1タンパクの発現低下の回復をin vivoで成功させた。RNAiに伴う様々な副作用のうちインターフェロン反応については化学修飾を工夫することで、またshRNAによる肝毒性についてはshRNA-AAVベクターの発現量を調節することで、それぞれRNAi効率を維持したままで副作用のみを回避することに成功し大きな進歩が得られた。
結論
多くの疾患あるいは標的遺伝子に特異的なsiRNAの作製に成功し、siRNAトランスジェニックマウスにてsiRNAによる遺伝子治療が有効であることを初めて明瞭に証明するとともに、あらゆる遺伝子変異にも対応するRNAi手法の有用性も示すことに成功した。さらに、RNAiに伴う副作用の克服も着実に前進しており臨床応用へ向かって本研究は大きく進展した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)