精神医療に係る患者の利用実態や機能等の評価及びその結果の公表に関する研究

文献情報

文献番号
200632034A
報告書区分
総括
研究課題名
精神医療に係る患者の利用実態や機能等の評価及びその結果の公表に関する研究
課題番号
H17-こころ-一般-013
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
吉住 昭(独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 川副 泰成(国保旭中央病院)
  • 朝田 隆(筑波大学臨床医学系精神医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
改革のグランドデザイン案にある「精神医療の透明性の向上」に資する資料を作成することを、目的とする。
研究方法
1.医療実態調査班、2.評価軸設定班、3.情報の公開・透明化に関する班の3班を組織した。評価軸設定班では、イ.「あるべき姿」とその評価のための構造、ロ.機能評価項目の設定、ハ、アウトカム評価、二.諸外国の機能評価に関する文献抄訳、ホ.PSW機能の評価、へ.看護機能の評価、ト.作業療法の評価を担当するグループを組織した。
結果と考察
「あるべき精神科病院の姿」の定義づけを行い、それに基づき精神科病院評価のための大、中分類項目を設定した。小項目は、収集した434項目を、構造24、過程46へ整理した。結果の項目については、そのデータの収集のための方法を提示した。精神科ソーシャルワーカー分野では、国内外に評価のためのツールがなく、8分野、44項目からなる評価票を作成した。精神科看護は、既存の評価票を見直し53項目を抽出した。作業療法については、平成9年の自己評価票を、全国の作業療法士に意見を求め、改変した。情報公開では、提示した10領域86項目について、医療提供者と当事者の間で、情報公開に必要な項目については大部分で一致を見た。しかし、隔離拘束数や精神薬の無告知投与など9項目は両者間で開きが認められた。また、オンブズマン制度の報告からは、この制度が精神科医療の質の向上と透明化に寄与することが示された。
結論
利用実態班は、6月30日調査に連動する形で調査票を作成した。評価軸班では、機能評価のためのマトリックスを作成するとともに、機能評価に関する資料から抽出した項目の絞り込みを行った。また、医療のアウトカムの評価項目の決定には、、煩雑さ等通常臨床場面での実施可能性を考慮すべきであることが明らかになった。諸外国における機能評価については、特に重要と思われるものを翻訳し、評価項目、評価の方法、データの入手経路についてまとめた。看護、PSW、作業療法の機能評価については、既存の評価表の改変作業等を行い、評価表を作成した。情報公開班は、重要な情報で公開すべきと考える項目について、特に医療関係者と当事者や家族との考えのズレに焦点をあてて調査した。また、オンブズマン制度が精神科医療の質の向上と透明化に寄与することが示された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)