アレルギー疾患の自己管理と個別化医療を目指した早期診断基準と早期治療法の確立及びその有効性と有害事象の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200631023A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患の自己管理と個別化医療を目指した早期診断基準と早期治療法の確立及びその有効性と有害事象の評価に関する研究
課題番号
H18-免疫-プロ-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大田 健(帝京大学医学部内科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 一男(独)国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 足立 満(昭和大学医学部第一内科)
  • 福田 健(独協医科大学呼吸器・アレルギー内科)
  • 山口 正雄(東京大学医学部付属病院アレルギー・リウマチ内科)
  • 森川 昭廣(群馬大学大学院医学研究科小児生体防御)
  • 近藤 直実(岐阜大学医学部小児病態学)
  • 眞弓 光文(福井大学医学部小児学科)
  • 海老澤 元宏(独)国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究所)
  • 岡本 美孝(千葉大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学)
  • 池澤 善郎(横浜市立大学医学部環境免疫病態皮膚科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
51,925,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎、食物等アレルギーは、いずれも治癒する方法がなく、適切な治療戦略による疾患のコントロールが診療の目標となる。またアレルゲンの同定と回避が、薬物療法とともに重要である。本研究では、各疾患の早期診断と早期治療の実現を目指す。とくに喘息を主たる対象疾患として、自己管理による疾患のコントロールと喘息死ゼロを目指す。診断や治療における病診連携、及び専門医と一般医との連携を具体的に提言し、喘息死ゼロ作戦に寄与する。
研究方法
アレルギー疾患の早期診断と早期治療を目指した診療指針を作成する。喘息について、実用的で簡便な問診票の作成、重症度とコントロールの状態を把握するための問診票の作成により自己管理の方法を具体化する。診断や治療における病診連携、及び専門医と一般医との連携についても具体的に提言し推進する。基礎研究では、喘息の発症、重症度、予後などに関連する遺伝子の追求、環境中のアレルゲンが定量できる高感度で簡便な方法の開発を行い、臨床に有用な新しい指標として確立する。また新しい抗原曝露試験の確立も目指す。
結果と考察
アレルギー疾患に関する早期診断と早期治療を目指した診療指針を完成した。医師向け喘息問診票については、Easy Asthma ProgramTMをもとに、JGL2006の重症度の分類(未治療と治療中の場合)を考慮して作成した。患者向けコントロール評価のための問診票は、簡便で科学的評価も終えている喘息コントロールテスト(ACT)を用いることにした。ACTのとPEFが記入可能になった喘息日記を作成した。喘息死ゼロ作戦の実行に関する提言を作成した。喘息の表現型や重症度などを網羅するDNAチップの作製を開始した。微量検体による高感度アレルゲン測定法を確立した。免疫不全マウスに患者のリンパ球を移入し、抗原誘発試験を施行する方法を考案した。次年度以降の実験計画遂行の準備が整ったと言える。
結論
初年度で、「アレルギー疾患の早期診断、早期治療のための診療指針」、「医師向け喘息問診票」、「患者向けコントロール評価のための問診票」、「喘息日記」、「喘息死ゼロ作戦の実行に関する提言」を計画通り完成することができた。喘息に関連する遺伝的背景の把握をめざすDNAチップの作製、環境中のアレルゲン量の高感度測定法の確立、マウスによる抗原曝露誘発試験法の確立の各プロジェクトも順調に進行している。

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
-