関節リウマチ及び線維筋痛症の寛解導入を目的とした新規医薬品の導入・開発及び評価に関する包括的研究

文献情報

文献番号
200631016A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチ及び線維筋痛症の寛解導入を目的とした新規医薬品の導入・開発及び評価に関する包括的研究
課題番号
H17-免疫-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
西岡 久寿樹(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岩倉 洋一郎(東京大学医科学研究所ヒト疾患モデル研究センター)
  • 妻木 範行(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 中島 利博(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター)
  • 田中 栄(東京大学医学系研究科感覚・運動機能医学)
  • 吉田 勝美(聖マリアンナ医科大学予防医学)
  • 川合 眞一(東邦大学医学部附属大森病院・膠原病科)
  • 高柳 広(東京医科歯科大学大学院・医歯学総合研究科)
  • 浦野 房三(長野県厚生連篠ノ井総合病院・リウマチ膠原病センター)
  • 松本 美富士(藤田保健衛生大学七栗サナトリウム・内科)
  • 千葉 一裕(慶応義塾大学医学部・整形外科学)
  • 木村 友厚(富山大学医学部・整形外科)
  • 植田 弘師(長崎大学医歯薬学総合研究科薬学系)
  • 長田 賢一(聖マリアンナ医科大学・神経精神科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
44,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節リウマチの最近の治療薬剤の開発とその臨床応用は完全寛解の導入、早期関節リウマチにおいては、実現可能な到達目標となっている。これまでの実績に基づき、関節リウマチをその柱にして、リウマチ性疾患の制圧のためには、①滑膜増殖の完全抑制 ②軟骨・骨破壊の予防とその制御 ③線維筋痛症などの非炎症性慢性疼痛の制御によるQ.O.L.の向上 ④マクロ経済学的観点より、医薬品等の適正価格と患者の傷病負担軽減の4つを研究の軸とした。
研究方法
①ゲノム、プロテオーム等の新しい技術の導入による滑膜増殖および炎症性骨破壊の分子レベルでの全容の解明。
②病態形成に関わる炎症性分子、骨関節破壊分子、疼痛惹起分子をゲノム医科学の手段を用いて解析し、重症化予防戦略の確立。
③線維筋痛症を対象とした慢性疼痛の制御によるQ.O.L.の評価。
④①による疾病抑圧効果による疾病負担の軽減の評価。
結果と考察
①シノビオリン関連分子を中心に滑膜増殖の全容がほぼ解明された。
②骨関節破壊の抑制に対してBMPを中心とした標的分子が同定され、また、T細胞と骨破壊の結合メカニズムの全容が解明された。
③線維筋痛症の病因モデル、病態調査が大きく進歩した。
④筋骨格系の痛みによるQ.O.L.の損失が計量的に解明された。
結論
①新規滑膜増殖因子(シノビオリン等)の発見とその抑制システムの基礎的研究の成果がリウマチの滑膜病変の全容をほぼ解明した。
②骨免疫学研究の進歩により、骨破壊のメカニズムの全容が解明された。
③医療効果およびマクロ経済の双方から検討し、包括的なリウマチ医療体系の整備のための一定の方向性が検討された。
④線維筋痛症の疫学調査の結果で、200万人近い患者が本邦にも存在し、速やかな対策が必要である。また、動物モデルの解明が一段と進歩し、新規薬剤の開発に一段と弾みがついた。

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
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