アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究

文献情報

文献番号
200631010A
報告書区分
総括
研究課題名
アトピー性皮膚炎の症状の制御および治療法の普及に関する研究
課題番号
H17-免疫-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
古江 増隆(九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 高森 建二(順天堂大学順天堂浦安病院皮膚科学)
  • 相馬良直(聖マリアンナ医科大学皮膚科)
  • 秀 道広(広島大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学)
  • 佐伯秀久(東京大学大学院医学系研究科皮膚科学)
  • 浜崎雄平(佐賀大学医学部小児科学)
  • 遠山正彌(大阪大学大学院医学系研究科神経機能形態学)
  • 永井博弌(岐阜薬科大学臨床薬理学)
  • 佐々木りか子(国立成育医療センター第二専門診療部皮膚科)
  • 大矢幸弘(国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科)
  • 中村晃一郎(福島県立医科大学皮膚科)
  • 野瀬善明(九州大学大学院医学研究院医療情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、アトピー性皮膚炎の根本的な症状である痒みを臨床的あるいは基礎的に評価・研究し、具体的な対処法や治療法を広く国民に普及することを目的とし、併せて痒みのメカニズムの解明に大きく踏み込み、新規治療法の開発をもめざす。そしてかゆみを軽減する具体的対処法を分かりやすく解説する「かゆみをやっつけよう」というインターネットサイトを作成する。
研究方法
(1)ホームページ「かゆみをやっつけよう」の作成;(2)かゆみの臨床的な解析
1)痒みの臨床的評価と制御、2)抗ヒスタミン薬の作用に関する研究、3)痒み対策指導に関する研究、4)抗アレルギー薬および保湿外用剤によるかゆみの制御、5)光線治療、6)QOL尺度;(3)かゆみの基礎的な解析、7)動物モデル、8)皮膚ケラチノサイトのケモカイン産生、9)知覚神経線維の表皮内侵入と消退メカニズム、10)モデルマウスにおける表皮内神経線維侵入;(4)かゆみの新規治療法の開発、11)MEK1/2阻害薬の抑制効果
結果と考察
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸で染色加工した繊維はかゆみ抑制効果があること、抗アレルギー薬や紫外線療法は痒みを軽減させること、ステロイドやFK-506の外用が掻破行動を抑制し、表皮内神経線維の伸張(スプラウティング)がかゆみの一つのマーカーとなりうること、この表皮内神経線維のスプラウティングにはnerve growth factor 受容体p75、神経反発因子であるセマフォリン3Aの発現、そしてMEK/ERK細胞内シグナルが深く関与すること、が明らかとなった。
結論
患者や保護者に理解しやすい「かゆみをやっつけよう」というホームページを作成することはきわめて意義深いと考えた。

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
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