同性愛者等への有効な予防介入プログラムの普及に関する研究

文献情報

文献番号
200629033A
報告書区分
総括
研究課題名
同性愛者等への有効な予防介入プログラムの普及に関する研究
課題番号
H18-エイズ-若手-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
嶋田 憲司(特定非営利活動法人動くゲイとレズビアンの会)
研究分担者(所属機関)
  • 河口 和也(広島修道大学)
  • 柏崎 正雄(財団法人エイズ予防財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
同性間対策の普及のため、(1)行動変容につながる普及啓発の実施・推進、(2)中小都市・NGO不在地域における同性間対策の普及、(3)コミュニティ内部への啓発効果の波及 を目的とする。
研究方法
コミュニティ、自治体、NPOの3者連携によるコミュニティ・ディベロップメント概念をもとに、(1)予防介入手法の実践・コミュニティ教育では、①啓発プログラム「LIFEGUARD」の普及、②質問票調査による実態調査、③MSMの性行動の実態とネットワーク分析、④コミュニティ開発・教育手法の計画、⑤啓発実施者教育手法の計画、(2)自治体連携では、①同性間対策の実施状況と課題の分析、②同性間対策の事業化のためのモデル作り を行う。
結果と考察
(1)予防介入実践とコミュニティ教育―①同性間予防啓発LIFEGUARDを全国21箇所で実施し、②対象の行動・ネットワークについて実態調査を行った。また、③過去3年間の介入前データを分析し、リスクの高い層として「ネット利用層」などを確認した。また、各地に同性間対策を導入できる下地作りとして、コミュニティ教育(コミュニティアクセスやオピニオンリーダーへの教育、啓発実施者への教育)を行った。

(2)自治体連携―①同性間対策の実施状況と課題について、17年度に行った調査を自治体種別ごとに分析した。また、12年度査との縦断分析により、経年変化と、持続している課題を分析したところ、中核市での課題増加が顕著であり、中核市への支援が急がれていることが確認できた。同性間対策の内、検査環境の整備、研修などは取り組みやすい施策だが、同性間対策が進む政令市の例では、検査から行動変容や教育資材の開発といった具体的啓発に移行する動きが確認された。②同性間対策のモデル作りでは、実際の自治体とNPOの連携過程の記録より連携のモデル案を作成した。予防啓発の実践前後3年間にわたる連携を経て実践に至ることや、具体的作業分担が明らかになった。
結論
同性間対策を普及するためには、コミュニティ、自治体、NPOの3者連携によるコミュニティ開発と支援が必要である。コミュニティへの予防啓発を行いつつ、同性間対策を実施できるコミュニティ開発(外部からのアクセスルートの確保、教育、教育手法の開発)と行政への支援を試行し、自治体とNPOとの事業連携モデルを試案した。今後これらの実践や仮モデルについて、有効性や効果を検証していく。

公開日・更新日

公開日
2007-07-03
更新日
-