エイズ対策におけるテーラーメイド予防啓発介入の効果の定量的評価

文献情報

文献番号
200629032A
報告書区分
総括
研究課題名
エイズ対策におけるテーラーメイド予防啓発介入の効果の定量的評価
課題番号
H18-エイズ-若手-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
松田 智大(国立がんセンターがん対策情報センター がん情報・統計部)
研究分担者(所属機関)
  • 児玉知子(国立保健医療科学院 政策科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では,エイズ感染における個人レベルでの予防動機や予防行動のパターンに着目し,各対象者に合わせた「テーラーメイド予防啓発介入」の有効性について評価する.
研究方法
対象集団は大学生を中心とした18-35歳の男女で,無作為抽出・割付を行なって全対象者に同じ介入プログラムを行なう群90名と対象者の行動パターンに合わせて3グループの異なった介入プログラムを行なう群90名に分け,盲検として各群で介入プログラムを実施する.プログラム前,直後,半年後に,Misovichによるエイズ予防知識・動機・行動評価票を第一評価基準として用いた評価を計3度行い,プログラム講師からの記述的観察を補足情報として用いて行動変容を観察する.
結果と考察
開発者に許可を得た上で,英語原文の表現を損なわないように,上記評価票の日本語版を作成した.大学生数名とのディスカッションを経て,質問文の表現の修正を行った.結果として,第一評価基準となる評価票は,1.エイズ予防に関する情報,2.エイズ予防の動機,3.エイズ予防スキル,4.エイズ予防行動の合計130問で構成されることとなった.介入プログラムには,若年層に対するエイズ予防・性教育プログラムを改変したものを利用することとした.プログラム内容を,10のモジュールに分け,90分間を2回という介入プログラムの枠に入るように設定した.モジュールのタイトルは,1)ライフサイクルと青年期,2)決定判断できる力,3)自他の生命の尊重,4)異性の尊重,5)性行動の選択,6)避妊,7)性感染症(HIVとその他のSTD),8)エイズの予防とコンドームの使用,9)売買春,性の社会的病理,性犯罪,10)アルコールと薬物である.各介入群(高リスク群,通常群,低リスク群)の介入プログラムは,提供するモジュールの項目を同一とし,表現方法や情報の質・量を各群において適するもの(テーラーメード化)とした.
結論
テーラーメイド介入をすることにより,個々人の性行動に関する動機や意識の違いを考慮に入れ,ごく自然な形で必要な知識を身につけることが可能となると考えられる.通常介入群と比較して,テーラーメイド介入群において必要な知識がより効果的に普及され,性行動のリスクに対応して適切な行動変容が観察されることが期待される.

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
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