HIV検査相談機会の拡大と質的充実に関する研究

文献情報

文献番号
200629022A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV検査相談機会の拡大と質的充実に関する研究
課題番号
H18-エイズ-一般-013
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
今井 光信(神奈川県衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 中瀬 克己(岡山市保健所)
  • 立川 夏夫(国立国際医療センター エイズ治療研究開発センター)
  • 吉田 靖子(東京都健康安全研究センター )
  • 大竹 徹(大阪府立公衆衛生研究所)
  • 澤田 幸治(北海道立衛生研究所)
  • 小島 弘敬(東京都南新宿検査・相談室)
  • 松浦 基夫(NPO法人CHARM)
  • 金光 公浩(日本赤十字社)
  • 玉城 英彦(北海道大学 大学院)
  • 木村 和子(金沢大学 大学院)
  • 矢永 由里子(エイズ予防財団)
  • 嶋 貴子(神奈川県衛生研究所)
  • 加藤 真吾(慶應大学 医学部)
  • 杉浦 亙(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
48,589,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、HIV検査相談の機会を活用して、HIV感染者の早期発見・早期治療と感染予防・感染拡大の防止を計るため、(1)HIV検査相談機会の拡大に関する研究(2)相談・カウンセリングの質的向上に関する研究(3)HIV検査技術の開発・改善・導入・普及等に関する研究等の3課題の研究を行う。
研究方法
HIV検査相談の実施機関、HIV検査技術・検査相談技術の研修機関、HIV検査の実施機関、大学等の共同研究として、上記の研究を行った。
(倫理面への配慮:プライバシーの保護に努めると共に、検査結果の迅速な還元に努めた。)
結果と考察
1.検査相談の最新詳細情報を提供し、受検者の多くが利用している、ホームページ“HIV検査相談マップ”へのアクセスは、積算で300万件、1日3000件を越え、情報提供手段と共に、各項目へのアクセス状況により、受検希望者の動向をモニタリングする研究手段としても極めて有用であった。
2.全国の保健所へのアンケート調査により、即日検査の実施保健所は45%、保健所検査で陽性と判明した受検者の94%がその結果を受け取りに来ており、また医療機関を受診していることを確認できている陽性者はその60%であることを明らかにできた。
3.HIV 郵送検査実施会社7社へのアンケート調査により、2006年の郵送検査利用者数は2000件、陽性数は200件を越え、昨年よりも大幅に増加していることが分かった。
4.日本では、自分で検査を行う自己診断キットは認可されていないが、WEB上では多くの宣伝がなされている。それらキットをWEB上で購入し、その実態を調査した結果、多くの商品に様々な問題があることを明らかにできた。
5.前研究班で作成し配布したHIV 検査相談事例集の続編として、特に要望の多かった、検査の陽性事例(要確認検査事例と確認検査陽性事例)に対する、対応事例集の作成を行った。
6.新たな迅速検査法(抗原抗体同時検出迅速キット)の検討を行った結果、抗体出現前の抗原陽性期に陽性となり、感染初期の診断に有用なこと、また、比較的偽陽性率の低いことが分かった。更に検討を要するが、即日検査の質の向上に大きく貢献できる可能性のあることが分かった。
結論
即日検査の普及等により保健所等無料検査への受検者数は増加しつつあるが、郵送検査等の利用者も激増しており、これら検査相談体制の総合的な質の向上を図る必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-04-18
更新日
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