NeuroAIDSの発症病態と治療法の開発を目指した長期フォローアップ体制の構築

文献情報

文献番号
200629018A
報告書区分
総括
研究課題名
NeuroAIDSの発症病態と治療法の開発を目指した長期フォローアップ体制の構築
課題番号
H18-エイズ-一般-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
中川 正法(京都府立医科大学大学院・神経内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 出雲 周二(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科・難治ウイルス病態制御研究センター分子病理病態研究分野)
  • 鈴木 直人(同志社大学文学部心理学)
  • 古川 良尚(鹿児島大学病院輸血部)
  • 岸田 修二(都立駒込病院・神経内科)
  • 船田 信顕(都立駒込病院・病理科)
  • 白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・HIV/AIDS先端医療開発センター)
  • 向井 栄一郎(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター・神経内科)
  • 藤田 直久(京都府立医科大学大学院 ・臨床検査医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多くの先進諸国でAIDS患者が減少傾向になっているが、わが国ではHIV感染者・ADIS患者が増加することが予測されている。HAART導入によりHIV感染症が慢性感染症へと変貌したが、このことはエイズ脳症を含むHIV感染による神経合併症(以下、NeuroAIDS)の相対的頻度の増加および臨床病態の変化を予測させるものである。本研究はHIV感染者が比較的集中している施設に限定して、神経内科医、感染症科医、臨床心理士、コーディネーター、神経病理医などとの学際的な協力のもとNeuroAIDS早期発見の観点からHIV感染者を長期フォローアップする体制の構築を目指すものである。
研究方法
都立駒込病院、大阪医療センター、名古屋医療センター、鹿児島大学病院、京都府立医大附属病院の感染症・免疫内科医、神経内科医、臨床心理士、コーディネーターなどと協力して、HIV感染者の同意の下、初診から出来るだけ早い時期より神経内科的フォローアップを行うための体制づくりをすすめる。HIV感染者を神経内科的に長期間フォローアップするために必要でかつ現実的な高次脳機能検査やMRI検査等を含むフォローアッププロトコールを作成する。また、AIDS関連死亡例についての分子病理学的検討を行う。
結果と考察
3年計画の初年度である平成18年度は、上記の施設を中心に神経内科医、感染症・免疫内科医、臨床心理士、コーディネーターなどと協力体制を構築した。高次脳機能の検査について施設間の統一を図り、約1時間以内に実施可能な高次脳機能検査バッテリーを作成した。HIV感染者の長期フォローアップのためのプロトコールを作成した。AIDS関連死亡例についての症例検討を行った。
 被験者が受け入れ可能な実施時間、内容を検討し、最終的に1時間以内で実施可能で、国際的な比較も可能な検査バッテリーを作成した。また、長期フォローアッププロトコールを作成したが、これらのプロトコールの有効性を費用負担の問題も含めて臨床的に検討していく必要がある。今年度の研究にて、日本有数のHIV感染者を持つ都立駒込病院、大阪医療センター、名古屋医療センターおよび同志社大学心理学教室との協力体制が出来たことはNeuroAIDSの研究を進める上で重要な進歩と考える。

結論
初年度である今年度は、HIV感染者の長期フォローアップ体制のスタート台を構築できた。

公開日・更新日

公開日
2007-05-23
更新日
-