文献情報
文献番号
200629017A
報告書区分
総括
研究課題名
重篤な日和見感染症の早期発見と最適治療に関する研究
課題番号
H18-エイズ-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
安岡 彰(長崎大学医学部・歯学部附属病院感染制御教育センター)
研究分担者(所属機関)
- 照屋 勝治(国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター)
- 片野 晴隆(国立感染症研究所感染病理部)
- 中村 哲也(東京大学医科学研究所)
- 竹内 勤(慶応大学医学部寄生性原虫学)
- 古西 満(奈良県立医科大学感染症センター)
- 塚田 弘樹(新潟大学医歯学総合病院)
- 堀場 昌英(国立病院機構 東埼玉病院)
- 永井 英明(国立病院機構 東京病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
以下の項目について検討した。
1)HAART時代の日和見感染症の動向と頻度の調査
2)エイズ指標疾患の早期発見に関する研究
3)新しい日和見感染症の治療法・免疫再構築症候群への対処に関する研究
1)HAART時代の日和見感染症の動向と頻度の調査
2)エイズ指標疾患の早期発見に関する研究
3)新しい日和見感染症の治療法・免疫再構築症候群への対処に関する研究
研究方法
以下の項目について検討した。
1)HAART時代の日和見感染症の動向と頻度の調査
1995年以降の日和見感染症のアンケート調査。
2)エイズ指標疾患の早期発見に関する研究
a)ニューモシスチス肺炎(PCP)特徴と鑑別法、 b)サイトメガロウイルス(CMV)の早期診断・予防マーカーとしてのCMV抗原血症の有用性、 c)結核特異的インターフェロンγ産生能検査(QFT-2G)のHIV感染者における有用性、 d)非結核抗酸菌症の発症背景と診断・治療、 e)KSHV関連悪性リンパ腫の頻度と発症機序 f)クリプトスポリジウムの遺伝子診断。
3)新しい日和見感染症の治療法・免疫再構築症候群への対処に関する研究:
a)免疫再構築症候群の発症予防・発症時の対処。
b)非結核抗酸菌症のマクロライド系薬による増殖抑制効果。
c)トキソプラズマ症の治療成績の解析と、新規治療薬ターゲット。
1)HAART時代の日和見感染症の動向と頻度の調査
1995年以降の日和見感染症のアンケート調査。
2)エイズ指標疾患の早期発見に関する研究
a)ニューモシスチス肺炎(PCP)特徴と鑑別法、 b)サイトメガロウイルス(CMV)の早期診断・予防マーカーとしてのCMV抗原血症の有用性、 c)結核特異的インターフェロンγ産生能検査(QFT-2G)のHIV感染者における有用性、 d)非結核抗酸菌症の発症背景と診断・治療、 e)KSHV関連悪性リンパ腫の頻度と発症機序 f)クリプトスポリジウムの遺伝子診断。
3)新しい日和見感染症の治療法・免疫再構築症候群への対処に関する研究:
a)免疫再構築症候群の発症予防・発症時の対処。
b)非結核抗酸菌症のマクロライド系薬による増殖抑制効果。
c)トキソプラズマ症の治療成績の解析と、新規治療薬ターゲット。
結果と考察
1)HAART時代の日和見感染症の動向と頻度の調査:
日和見感染症はHAART時代においても増加していることが確認された。
PCP、CMV感染症、悪性腫瘍の増加が特徴的であった。
2)エイズ指標疾患の早期発見に関する研究
a)PCP診断における血中β-D-グルカン測定の有用性、b)CMV感染症発症のマーカーとしての血漿CMV-DNAの高い陽性率 c)HIV感染症合併結核においてのQFT-2Gが有用であること、 d)非結核抗酸菌症におけるHAART時代における病型の変化、e)悪性リンパ腫でのヒトヘルペスウイルス8(HHV-8)が関連するリンパ増殖性疾患の関与、f)原虫症(クリプトスポリジウム)の診断系の確立などの成果が得られた。
3)新しい日和見感染症の治療法・免疫再構築症候群への対処に関する研究
a)免疫再構築症候群に関与する遺伝子の解析および、細菌感染症の関連の調査を行った。b)非結核抗酸菌症による免疫再構築症候群発症予防にマクロライド予防的投与の有用性が示唆された。
c)トキソプラズマ症の治療ターゲットとしての解糖系関連酵素が特定された。
日和見感染症はHAART時代においても増加していることが確認された。
PCP、CMV感染症、悪性腫瘍の増加が特徴的であった。
2)エイズ指標疾患の早期発見に関する研究
a)PCP診断における血中β-D-グルカン測定の有用性、b)CMV感染症発症のマーカーとしての血漿CMV-DNAの高い陽性率 c)HIV感染症合併結核においてのQFT-2Gが有用であること、 d)非結核抗酸菌症におけるHAART時代における病型の変化、e)悪性リンパ腫でのヒトヘルペスウイルス8(HHV-8)が関連するリンパ増殖性疾患の関与、f)原虫症(クリプトスポリジウム)の診断系の確立などの成果が得られた。
3)新しい日和見感染症の治療法・免疫再構築症候群への対処に関する研究
a)免疫再構築症候群に関与する遺伝子の解析および、細菌感染症の関連の調査を行った。b)非結核抗酸菌症による免疫再構築症候群発症予防にマクロライド予防的投与の有用性が示唆された。
c)トキソプラズマ症の治療ターゲットとしての解糖系関連酵素が特定された。
結論
現在問題となっている日和見感染症の病態解析や対処法について明らかにした。
公開日・更新日
公開日
2007-04-25
更新日
-