HIV感染症に合併する各種疾病に関する研究

文献情報

文献番号
200629016A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症に合併する各種疾病に関する研究
課題番号
H18-エイズ-一般-007
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小池 和彦(東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 高松純樹(名古屋大学医学部附属病院)
  • 菅原寧彦(東京大学医学部附属病院)
  • 四柳 宏(東京大学医学部附属病院)
  • 菊池 嘉(国立国際医療センター)
  • 茶山一彰(広島大学医歯薬学総合研究科)
  • 髭 修平(北海道大学病院)
  • 正木尚彦(国立国際医療センター)
  • 加藤道夫(国立病院大阪医療センター)
  • 中村哲也(東京大学医科学研究所)
  • 服部俊夫(東北大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
47,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
HAARTの登場以降、HIV感染者の死因は大きく変化してきている。HIV感染患者の死亡のうち非AIDS関連死が約半数となっている。非AIDS関連死の多くが慢性HCV感染症による死と報告されている。HIV感染者に合併した慢性HCV感染症をいかに治療するかは、最大の懸案事項であり、また、HIV感染者に合併したB型肝炎もHAARTの遂行上大きな問題となっている。これらへの対策が急務といえる。
研究方法
我が国におけるHIV・HBV重複感染症の実態を把握するためのデータベース作成、ペグ・インターフェロン/リバビリン併用治療時代の血友病HIV/HCV重複感染のコントロール法の確立、HIV感染合併B型肝炎患者の治療法と薬剤耐性に関する研究等を行なった。
結果と考察
 全国エイズ拠点病院に対するアンケート調査において207施設から回答があった。HIV・HBV重複感染例が1例以上の病院は67施設 、HIV・HBV重複感染例が10例以上の病院は9施設であった。HIV・HBV重複感染例は特定の施設に集中している。
 血液製剤によるHIV感染例では5.9%、同性間性交渉によるHIV感染例では8.3%と、日本全体でのHBV陽性率(0.6%程度)に比して高率であった。異性間性交渉感染例でのHBV陽性率は3.4%であり、やはり高率であった。麻薬・覚醒剤によるHIV感染例では8.3%と最も高率を示した。
 HIV感染症に合併する慢性C型肝炎に対するリバビリン併用ペグ・インターフェロン療法の検討においては、22例中8例(36.4%)において完全著効(SVR, sustained virological response)が得られている。今後は、リバビリン併用ペグ・インターフェロン治療無効例を中心にして、ペグ・インターフェロンの少量長期療法を検討して行く。
 HIV・HBV重複感染症における抗HIV感染薬の使用法について、HBV量が多い例では、HAART開始時に抗HBV作用をもつ抗HIV薬を2剤以上使用する方が、肝疾患の予後が良好であった。HBV量が少ない場合には、HAARTによって大きな問題が起こらないことが多かった。
 HIV感染症患者の多数存在する全国の施設におけるHIV感染症診療医と肝臓病専門医との連携強化を強化し、HIV感染症に合併する肝疾患の診療の向上を図った。
結論
HIV感染症に合併する肝疾患について、B型肝炎とC型肝炎に重点をおいて、疫学、診療体制の組織強化、抗ウイルス療法の実行、等を行なった。今後のHIV・HBV・HCV重複感染症例の診療に大きな成果を上げることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-