HIVの感染予防に関する研究

文献情報

文献番号
200629014A
報告書区分
総括
研究課題名
HIVの感染予防に関する研究
課題番号
H18-エイズ-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山本 直樹(国立感染症研究所エイズ研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 俣野 哲朗(東京大学医科学研究所)
  • 志田 壽利(北海道大学遺伝子病制御研究所)
  • 庄司 省三(熊本大学医学薬学研究部)
  • 玉村 啓和(東京医科歯科大学生体材料工学研究所)
  • 森 一泰(国立感染症研究所エイズ研究センター)
  • 三浦 智行(京都大学ウイルス研究所)
  • 保富 康宏(三重大学大学院医学系研究科)
  • 石川 晃一(国立感染症研究所エイズ研究センター)
  • 高橋 秀実(日本医科大学微生物学免疫学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 HIV感染は依然、拡大を続けており、エイズワクチンの重要性については論を待たないところである。本研究では、細胞性免疫の研究を進めるとともに液性免疫を志向した特異的免疫、さらには自然免疫の概念、新たなアジュバントの開発等の研究を行い、包括的なHIV感染予防の道を探ることを目的とする。
研究方法
(1)プライムブースト DNA/SeVワクチン接種後のSIVmac239チャレンジ実験にてSIV複製制御が認められたサルについて、ウイルス学的免疫学的検討を行った。BCG/DIsのワクチン安全性の確認とpromoterの検討によるDIsの抗原発現の最適化を行い、実用化研究を完成させる。(2)ベクター開発 SIVのGag, envを発現するm8ニリコンビナントを作製した。(3)免疫原デザイン 化学合成したM細胞Target分子のM細胞へのTargetingをin vitroおよび in vivoで確認した。(4)弱毒生ワクチン d-5Gウイルス、nef欠失SHIV弱毒生ワクチンの発症予防効果のImmune correlatesを検討した。(5)アジュバント 抗酸菌Ag85Bまたはキトサンのアジュバント効果を検討した。(6)自然免疫 粘膜局所におけるCD1分子群の役割を検討した。

結果と考察
液性及び細胞性免疫誘導を標的とした組換えBCG/増殖能欠損型組換えワクシニアウイルスDIsのプライムブーストワクチン、CTL誘導型DNA/SeVワクチンのエイズウイルス複製抑制効果の長期解析、免疫増強遺伝子と弱病原性ワクシニアを用いたアフリカエイズワクチン開発、HIV-1第2受容体及びHIVタンパク質を基礎にHIV飲むワクチンの創製、HIV侵入の動的超分子機構を認識する特異的抗体作製の研究、エイズウイルス感染を抑制する宿主応答の解析、弱毒SHIVによる感染防御効果成立機序の解析とワクチンへの応用、ワクチンにおける新規アジュバントの開発に関する研究、ワクチンアジュバント開発と動物実験、粘膜組織におけるHIV感染樹状細胞の制御のため、nef遺伝子がCD1分子群に及ぼす影響についての分担研究を行い、有用な成果が得られた。
結論
ワクチン開発を中心としたHIV感染予防の研究を総合的に行った。プライムブースト、新規ベクター開発、免疫原デザイン、弱毒生ワクチン、アジュバント、自然免疫の研究を行い、今後のHIV感染予防に向け、貴重な成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-25
更新日
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