文献情報
文献番号
200629009A
報告書区分
総括
研究課題名
NGOによる個別施策層の支援とその評価に関する研究
課題番号
H17-エイズ-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
樽井 正義(慶應義塾大学文学部)
研究分担者(所属機関)
- 沢田 貴志(港町診療所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
国内のHIV感染・AIDS発症報告の約4分の1を外国籍が占めていること、ARV治療が途上国でも普及し始めたことを踏まえ、外国籍住民の医療アクセスに関する現状とニーズ、および母国における医療環境の現状を調査し、外国籍住民並びに支援NGO、医療機関、行政機関に必要とされる情報を提供し、これによって外国籍住民の受検と受診を促進し、併せて感染予防をはかる。
研究方法
外国籍住民のHIVに関わる現状調査は、アジア10カ国の共同研究State of Health(CARAM-Asia・アムステルダム自由大学)の一環として、今年度はとくに検査について、在日タイ住民を対象にフォーカス・グループ・インタビューを、併せて検査実施医療機関および支援NGOにも面接調査を行った。医療機関における外国人診療環境の整備に関しては、HIV対策重点自治体の医療者を対象に研修会を開催し(10カ所、延300余名参加)、昨年度の成果であるマニュアルとハンドブックにより情報と対応策を提供するとともに、有用性の評価と改訂ための情報を収集した。
結果と考察
外国籍住民の抗体検査に関する現状調査により、送り出し国における健康診断の内容が本人に理解されていないこと、外国人に検査を提供する保健所(68カ所)でも英語対応しか準備されていないこと、外国人には検査機関に関する情報がなく、また受検希望も限られれいることが明らかになった。外国人診療促進のための医療者研修を通じて、言語、医療費、生活背景、母国の医療事情等、必要な情報が共有されるとともに、医療機関、支援NGO、行政あるいは在日公館等の連携により、国内あるいは母国での診療継続事例も確認された。これらを反映して、外国人HIV医療生活相談担当者マニュアル2007年版(改訂版)を作成した。
結論
HIV/AIDSおよび国内と母国の医療環境に関する適切な情報を、外国籍住民のコミュニティー、支援NGO、医療機関、行政、さらには在日公館等関係者が共有するとともに、連携して対応することにより、外国籍住民の治療と予防を少しでも前進させられることが確認された。
公開日・更新日
公開日
2009-05-13
更新日
-