RNAi耐性ウイルス株の出現に対処する第二世代のRNAi医薬品の開発

文献情報

文献番号
200629006A
報告書区分
総括
研究課題名
RNAi耐性ウイルス株の出現に対処する第二世代のRNAi医薬品の開発
課題番号
H17-エイズ-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
高久 洋(千葉工業大学工学部生命環境科学科)
研究分担者(所属機関)
  • 黒崎直子(千葉工業大学工学部生命環境科学科 )
  • 橋本香保子(千葉工業大学工学部生命環境科学科 )
  • 山本典生(東京医科歯科大学大学院医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
22,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在使われている抗HIV剤は逆転写酵素阻害剤やプロテアーゼ阻害剤が中心であるが、それぞれ薬剤耐性株の出現という問題を抱えている。この問題を解決するひとつの方法は、これらの薬剤とは異なる作用点をもつRNAi治療法は有力なアプローチと考えられる。本研究ではデコイRNAとshRNAの組み合わせた第二世代RNAiの開発とその作用機序を明らかにすることを目的とした。
研究方法
shRNAはHIV-1のPBS下流にあるDIS領域において21塩基を標的としたもののレンチウイルスベクターを作製し、感染阻害効果ならびに耐性ウイルス株の出現について検討した。Jurkat細胞にCS-TAR, vif, vif-TARを感染後に野生型HIV-1 (HXB2), 薬剤耐性HIV-1(HXB2をバックボーンとして持ち、なおかつ薬剤耐性変異を持ったクローン)をそれぞれ感染させ、p24を測定した。また、env欠損VSV-G-NL4-3を用いたシングルラウンドインフェクション系を用いて、第二世代RNAiベクターの作用点をRT-PCR法により解析した。
結果と考察
T7を用いて合成したppp(n)-shRNAはn=0,1ではIFN-βの産生とCPEが見られたが、n=2以上ではそれらの副反応は見られなかった。DIS領域を標的としたshRNAを組込んだレンチウイルスベクターを感染させた細胞は野生型ウイルスを感染させても約50日間にわたりウイルスの産生が見られなかった。CS-vif-TARはWild-type HIV-1と同様、6種類の薬剤耐性HIV-1についてもウイルスの増殖を強く抑制した。CS-vifやCS-TARでも抑制活性はあるが、CS-vif-TARほどではなかった。以上の結果からTAR-decoyとvif shRNAを結合させたsmall RNAは薬剤耐性株に対しても非常に有効であることが分かった。また、第二世代RNAiの作用点はウイルスライフサイクルの前期よりも後期に作用点があることが明らかとなった。
結論
5’側に2つ以上のG残基を付加することにより、これまで問題視されてきた IFN-β産生を抑制できることが明らかにした。またshRNAの新たな標的としてDIS領域が同時に複数のウイルスタンパク質の発現を抑制するだけでなく、耐性ウイルスの出現も遅らせられることが明らかとなった。さらに、CS-vif-TARが、多剤耐性変異株を含む薬剤耐性HIV-1の増殖を強く抑制すること、および抗ウイルス効果の作用点が主に後期過程にあることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-