臓器移植や悪性腫瘍による免疫低下状態で発生するウイルス感染症の予防と治療に関する研究

文献情報

文献番号
200628042A
報告書区分
総括
研究課題名
臓器移植や悪性腫瘍による免疫低下状態で発生するウイルス感染症の予防と治療に関する研究
課題番号
H18-新興-一般-013
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
森 康子(独立行政法人医薬基盤研究所 基盤研究部感染制御プロジェクト)
研究分担者(所属機関)
  • 井上直樹(国立感染症研究所ウイルス第1部)
  • 吉川哲史(藤田保健衛生大学医学部小児科)
  • 長谷川秀樹(国立感染症研究所感染病理部)
  • 近藤一博(東京慈恵会医科大学医学部微生物学第1)
  • 水口裕之(独立行政法人医薬基盤研究所 基盤研究部遺伝子導入制御プロジェクト )
  • 藤原成悦(国立生育医療センター研究所母児感染研究部)
  • 白木公康(富山大学大学院医学薬学研究部)
  • 末松佐知子(独立行政法人医薬基盤研究所 基盤研究部免疫細胞制御プロジェクト )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
70,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臓器移植や悪性腫瘍による免疫低下状態で発生する重篤なヘルペスウイルス感染症の病態解明を行い、ウイルス再活性化の早期診断、予防および治療法開発のための基盤を確立することを目的とする。
研究方法
薬剤耐性ウイルス(HCMV)の耐性機構解明と抗ウイルス剤の検索(CMV, VZV)、再活性化および病態に関与する因子の同定と解析(HSV, HHV-6,HCMV, EBV)、ウイルス再活性化時における診断法確立のための細胞性、液性免疫能の評価基準の作成(VZV, EBV)を行う。 
結果と考察
18年度は、VZV細胞性免疫能測定法の確立のため、ELISPOT法を用いて条件設定を行った。HHV-6感染により誘導あるいは抑制される因子の同定を行った。小児移植患者から経時的に血液を採取、ウイルスDNA量のモニタリングを行い、血清中サイトカイン濃度の測定および臨床経過の把握を行った。唾液中の再活性化ウイルスDNAを定量化する方法を開発したHHV-6の潜伏感染・再活性化の系を作成した。抗ウイルス薬候補をランダム化合物ライブラリーからVZVに対し5種類、CMVに対し3種類を同定した。免疫不全状態のEBV関連日和見リンパ腫のモデルマウスの作成を行い、EBV特異的遺伝子発現の解析を行った。分離されたアシクロビル耐性・温度感受性HSVの解析を行った。抗ヘルペスウイルス薬ビダラビンAraAの作用機序の解析を行った。最適な遺伝子導入活性を示すアデノウイルスベクターの確立を行った。成人T細胞白血病モデルマウスへのHSV初感染に関与する因子の同定を行った。
結論
18年度は、免疫抑制状態で再活性化するヘルペスウイルスの診断法、治療法および病態解明のための基礎的な研究を行い成果を得た。

公開日・更新日

公開日
2007-03-29
更新日
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