アジアで流行している感染症の我が国への侵入監視の強化に関する研究

文献情報

文献番号
200628019A
報告書区分
総括
研究課題名
アジアで流行している感染症の我が国への侵入監視の強化に関する研究
課題番号
H17-新興-一般-019
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 治雄(国立感染症研究所 細菌第一部)
研究分担者(所属機関)
  • 寺嶋 淳(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 伊豫田 淳(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 大西 真(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 三戸部 治郎(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 山崎 伸二(大阪府立大獣医学感染症)
  • 西渕 光昭(京都大学 東南アジア研究所)
  • 林 哲也(宮崎大学生命環境科学)
  • 大澤 朗(神戸大学 農学部)
  • 倉根 一郎(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 田島 茂(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 遠藤 卓郎(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 大前 比呂思(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 木村 幹男(国立感染症研究所 感染情報センター)
  • 津田 良夫(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 朝日 博子(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 中野 由美子(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 神原 廣二(長崎大学熱帯医学研究所)
  • 坪井 敬文(愛媛大工学部)
  • 田辺 和裄(大阪大学 微生物病研究所)
  • 川本 文彦(大分大学医学部)
  • 石川 洋文(岡山大学環境数理学)
  • 中井 裕(東北大学農学部研究科)
  • 林 昌宏(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 八木田 健司(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 泉山 信司(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 森田 昌知(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 古屋宏二(国立感染症研究所 寄生動物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
141,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
世界的グローバル化により、アジアで流行している感染症(マラリア、デング熱、下痢原性感染症等)が我が国に侵入する機会が以前よりも増えてきている。的確な病原体の情報を把握しておくことがそれらの感染症のわが国への侵入および拡大阻止という迅速対応・対策において不可欠である。そのためにアジアで感染症対策に資する研究を行っている国立のCDC様の任務を持つ研究機関とのネットワークを構築することにより、病原体情報の交換および研究者の人的交流を促進させる。そのことが我が国の感染症対策にも役立つ。
研究方法
病原体別;細菌ではビブリオ属菌、ウィルスではデング熱ウィルス、原虫ではマラリアを対象にした分子疫学的解析法の標準化、データーベースの蓄積を行う。
結果と考察
Asia-PacificのCDC様の国立の感染症研究機関との連携;アジアで流行しているビブリオの検査体制(PFGEを用いたgenotyping)の標準化促進のため、「Pulse-Net Asia-Pan Pacific」の立ち上げを行った。共通のプロトコールの作成、その制度管理を行った。1年目は感染研で、2年目は中国南京CDCで連携国間の国際会議を開催して、協力関係を築いた。アジア各国で過去数年間流行していたデングウイルス1-4型に関し、E遺伝子の全塩基配列を決定し、系統樹を作成した。この系統樹は今後、アジアにおけるデングウイルス株の解析を進める上で基盤的データとなる。アジアで流行しているデングウィルスのE遺伝子塩基配列に基づいた系統解析の標準化、塩基配列決定法の講習会を行った。熱帯熱・三日熱マラリアの迅速診断法(LAMP法)の開発を行った。クロロキン耐性マラリアの分布と耐性遺伝子のデーターベース化を開始し、一部の解析を終了した。H19年1月に中国上海でアジア地域の研究機関間での研究会議を行った。
結論
アジアのCDC様機能を持つ研究機関と感染研との連携強化を図り、アジアで流行している感染症の正確な情報を得るための検査法の標準化、その精度管理、分子疫学的解析を可能にするため病原体のゲノム情報に基づいたデーターベース化を推進した。我が国に侵入する病原体の起源の追求を可能にし、防疫に役立てることが可能となる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-12-14
更新日
-