2次医療圏での保健医療福祉の連携システム構築の方法論と評価に関する研究

文献情報

文献番号
199700218A
報告書区分
総括
研究課題名
2次医療圏での保健医療福祉の連携システム構築の方法論と評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
信川 益明(杏林大学医学部医療科学教室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 保健医療福祉地域総合調査研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢化社会を目前にしている現在、住民は身近な地域で適切な医療・福祉・保健サービスを受けられるように医療機関、社会福祉施設、保健所などが各々の機能分担と連携を図り、専門的な医療技術、医療機器などの医療機能、福祉機能、保健機能を相互に利用し合うことによって、効率的な保健医療福祉の供給体制を確立することが不可欠である。そのためにも、地域における保健医療福祉の連携はますます必要となってきている。今後、地域としては市区町村を超えた2次医療圏に注目し、保健医療福祉の連携を図っていくべきである。2次医療圏における保健医療福祉の連携システムを構築するための方法論とその評価の検討を行うことが必要である。
研究方法
医療連携に関する調査を実施した。本調査の目的は、各医師会所属の医療機関における医療情報を調査することにより、医療連携システム構築のための基礎資料を把握し、連携システム構築に役立てることである。調査対象として、東京都の2次医療圏の中から北多摩南部医療圏(武蔵野市、三鷹市、調布市、府中市、小金井市、狛江市)を取り上げ、各市の医師会に所属する 631医療機関(武蔵野市132ヶ所、三鷹市 107ヶ所、調布市 143ヶ所、府中市 131ヶ所、小金井市75ヶ所、狛江市43ヶ所)における医療情報を調査した。
調査項目は医療機関の名称、所在地、電話番号、ファックス番号、最寄り駅・バス停・目標、開設者、診療科目、診療日、診療時間、休診日、受付時間、予約制、予約方法、救急告示、入院設備、許可病床数、社会保険診療の有無と種類、更生・育成医療の担当医療、指定医、人間ドック、訪問診療、外国語による診療の可否と使用外国語、専門外来、相談窓口、他の医療機関から紹介された患者の受け入れ、医療機器の種類・共同利用の状況等である。447医療機関(回収率70.8%)より回答を得て、解析に用いた。武蔵野市の医療情報は集計中である。
結果と考察
医療連携の状況を見ると、他の医療機関からの紹介患者を受入可能な医療機関の割合は高いが、訪問診療、医療機器の共同利用、予約制等を実施している割合は低く、各医師会により、連携に必要な医療機関の医療情報の把握状況も異なっていた。
2次医療圏での連携のアプローチの仕方としては、保健・医療・福祉機能連携の目的、必要性、期待される成果について、関係者間の共通の理解と認識が必要である。2次医療圏内の各市の保健・医療・福祉関係者の相互理解の場の設定が必要である。この場において、他の市が何を実施しており、何を実施していないかを把握することや、医療連携モデル事業の実施例についての詳しい情報を入手することなどが重要である。
将来の連携に向けて、保健・医療・福祉機能の現状調査と分析結果からの問題点の把握、地域特性の把握、将来の保健・医療・福祉の提供形態の把握、地域が目指す機能連携の明確化、保健・医療・福祉機能の連携の実施方法の確立などが必要である。さらには、評価方法、評価指標の開発、評価結果に基づく連携事業の見直しが必要である。
結論
医療機関の情報整備を推進することが必要であることが明らかとなった。地域の保健医療福祉の連携を行うにあたり、医療機関情報の把握は組織的な展開、各機関の役割分担の明確化と実践、紹介・逆紹介の実施、連携に必要な情報の公開と活用などの医療連携システム構築のために不可欠と考える。今後、保健福祉機能・保健医療福祉の情報システムニーズ状況の把握、評価方法・指標の調査分析を行い、2次医療圏の保健医療福祉連携全般に関する方法論を確立することが急務である。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)