マルチメディアを活用した視覚障害者用教育訓練支援システムの研究開発

文献情報

文献番号
200627014A
報告書区分
総括
研究課題名
マルチメディアを活用した視覚障害者用教育訓練支援システムの研究開発
課題番号
H17-感覚器-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
河村 宏(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 北村 弥生(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 岩谷 力(国立身体障害者リハビリテーションセンター総長)
  • 加藤 博志(国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所)
  • 舘田 美保(国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所)
  • 小林 好彦(国立塩原視力障害センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,498,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
最新のITを活用して視覚障害者のリハビリテーションにおける教育訓練モデルを研究

し、理療教育の向上と視覚障害者の職域拡大に資する教育訓練支援システムのプロト

タイプを開発し、高次脳機能障害等の認知障害者の教育訓練支援への成果の波及も視

野に入れてそれの評価を行う。
研究方法
初年度に、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所と国立5センターによる

研究態勢を構築し、5センターの理療教育課程在籍者が実際に使用する「読み書き」技

術、理療教育担当教官のIT利用状況、および国リハセンター理療教育課程最終学年を

対象とした「IT利用と家族関係および自己概念」に関する調査を実施した。二年次は

、これらの調査結果の分析と疲労に関する調査を実施し、到達点と問題点の正確な把

握につとめた。5センターに評価用のDAISYコンテンツ製作および情報アクセスの実験

環境を整え、パソコンを中心に置いた教育訓練プロトタイプシステムの開発を進め、

平行してサンプル教材の製作を進めた。国際的な動向調査は、英国、スウェーデン、

米国、韓国について現地調査と研究ネットワークの構築を行った。
結果と考察
調査の結果明らかになった「点字の読み書きの習得が困難であり、複数の手段を用い

て読み書きしているが、点字、録音(DAISY録音図書を含む)、テキスト(電子ファイ

ル含む)の中で最も多く使われている読み書きの手段はテキストである」という理療

教育課程在籍者の典型的な「読み書き像」に対応する、点字・音声・墨字を自在に選

択できる「読み書き」システムが、教育訓練支援システムの中核に位置づけられなけ

ればならない。また、理療教育課程担当教官に対するIT支援も必要である。教科書・

教材のDAISY化は必須であるが、そのための技術開発と著作権法等の法整備も欠かすこ

とができない。技術的には、出版用の電子ファイルをDAISY3規格(ANSI Z39.86-2005

)に極力自動的にコンバートする技術の開発が課題である。一度DAISY3規格のファイ

ルを生成すれば、数多くのDAISY3対応の閲覧システムを活用して柔軟なシステムを組

むことができる。
結論
PCもしくはPDAをベースにしたDAISY3規格の教科書・教材を用いる理療教育訓練支援シ

ステムプロトタイプを構築し、高機能のスクリーンリーダーと表示拡大システムに支

援されるインターネット・アクセスとシームレスに統合した教育訓練システムの評価

を最終年度に行う。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
-