障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究

文献情報

文献番号
200626017A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究
課題番号
H17-障害-一般-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
勝又 幸子(国立社会保障・人口問題研究所 企画部)
研究分担者(所属機関)
  • 福島 智(東京大学先端科学技術研究センター)
  • 本田 達郎(財団法人 医療経済研究・社会保険協会医療経済研究機構)
  • 圓山 里子(特定非営利活動法人自立生活センター新潟)
  • 遠山 真世(立教大学コミュニティ福祉学部)
  • 土屋 葉(愛知大学文学部人文社会学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,780,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害者の自立支援策の在り方を模索するにあたり、必要不可欠な障害者の生活実態についての情報を実地調査によって収集し、平成18年障害者自立支援法施行後の定率負担の影響について調べることを目的としている。
研究方法
本研究の主要な研究方法としては実施調査と文献研究の2本である。実施調査としては、(1)第2回障害者生活実態調査の実施とその分析、(2)障害者自立支援法施行後の障害者の経済状況に関する調査、文献調査としては(3)障害福祉施策に関する原理的考察、(4)知的障害者の定義に関する国際的状況、(5)障害者の国内統計からの把握の可能性、である。
結果と考察
第2回の実施調査結果から、就労していない障害者のうち多くが「病気・障害のため」就労ができず、就労を望んでいないことがわかった。なお、就労を希望している人でも、パートやアルバイトなどの短時間労働を希望している人が多いことがわかった。本人及び世帯の収入については、第1回の調査と同様、単身障害者世帯では所得は低く、年金などの社会保障給付が十分な所得保障となっていない実態がわかった。生活時間調査においては、第1回調査同様、就労時間の短さと「くつろぎ」時間の長さが一般の人と比べて特徴的であり、特に精神障害者にひとりでいる時間が長いことがわかった。自立支援法施行後の影響調査では、支援医療や福祉サービスなどで自己負担が増えたものの、利用回数を減らしている人は少なく、増加した負担は食費や教養娯楽費、貯蓄の取り崩しによってまかなっていた。
結論
第2回調査;富士市における障害者の就労、経済状況、生活時間は、おおむね第1回の調査結果と共通するものがあった。家族との同居率が比較的高い地方都市部における特徴もあったが、単身世帯については、ほぼ傾向は同じであった。平成18年4月に施行された障害者自立支援法における定率負担の影響が、利用回数などには影響せず、負担の増による家計への影響にだけ現れていることがわかった。調査時点で医療や福祉サービスを利用している人にとっては、必要不可欠な受診・利用であり、負担が増えても減らすことができないものであることがわかった。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
-