在宅重度障害者に対する効果的な支援の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200626016A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅重度障害者に対する効果的な支援の在り方に関する研究
課題番号
H17-障害-一般-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
川村 佐和子(青森県立保健大学健康科学部看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 石鍋 圭子(青森県立保健大学健康科学部看護学科)
  • 紙屋 克子(国立大学法人 筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 川口 有美子(特的非営利活動法人ALS/MNDサポートセンターさくら会)
  • 古和 久幸(学校法人北里学園北里大学)
  • 佐藤 美穂子(財団法人日本訪問看護振興財団)
  • 田中 雅子(社団法人日本介護福祉士会)
  • 小倉 朗子(財団法人東京都医学研究機構東京都神経科学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
複雑で重度な障害をもつ人々の生活の質向上のための保健福祉等の効果的な支援の在り方を研究する。これまでに、遷延性意識障害やALSによる障害者を対象として①重度障害を定義し、②重度障害者の生活実態と支援に関する調査を行った。本年度(2年目)の目的は、②の継続、③遷延性意識障害者に対する看護プログラム及び④効果的な関係職種連携のモデルを作成し、ケアの質保証に寄与することである。
研究方法
目的②について、ALS患者・遷延性意識障害者に対する質問紙調査、面接調査を実施し、実態を把握した。目的③は、遷延性意識障害者の回復過程分析による看護プログラム作成と評価をした。目的④は、看護・介護の連携を要する状況について面接調査、質問紙調査を実施した。円滑な関係職種連携のための法律的整備等の課題について、面接調査、文献調査により、米国との比較をした。
結果と考察
ALS療養者と介護者双方へのケア提供に関する調査: ALS療養者の介護における諸問題の検討により、療養者・家族・ケア提供者に対する支援、在宅と施設の柔軟な利用等、支援の視点を明らかにした。「ALS療養者の同居家族の構成による類型化」を行い、家族構成によって異なる支援モデル、及び療養者・介護者に対する「自立支援プログラム」を作成した。
遷延性意識障害者の実態調査:障害者自立支援法施行後の介護上の問題点が明らかとなった。
遷延性意識障害者に対する看護プログラム開発:重度化予防と介護負担の軽減を目的とした看護プログラムを開発した。除皮質硬直、関節拘縮の改善などの身体機能の改善のみならず、患者の表現手段の拡大や家族の介護負担を軽減する効果を確認した。
看護と介護の連携モデル作成:関係職種連携の実態調査を踏まえ、モデルの試案として、「吸引」の実施について、関係者の了解と責任を明確にするための「同意書」、「連携協定書」を作成した。これらの効果的な活用のための「条件と在宅療養支援担当者の役割分担」を作成した。
関係職種連携体制の検討:日米の連携の違いとして、米国では専門職と無資格職種間には厳密な委譲の規定があり、「業務における責任の一元化」「委譲可能な業務の明確化」等の違いが明らかになった。
結論
重度障害者、介護者、ケア提供者の連携の実態を踏まえた支援プログラム、連携モデルを作成した。今後、これらの有効な活用により、ケアの質保証に寄与していく。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
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