精神障害者の正しい理解に基づく、ライフステージに応じた生活支援と退院促進に関する研究

文献情報

文献番号
200626010A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者の正しい理解に基づく、ライフステージに応じた生活支援と退院促進に関する研究
課題番号
H16-障害-一般-016
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
北井 暁子(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 大嶋 正浩(医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ)
  • 新居 昭紀(社会福祉法人 聖隷三方原病院)
  • 菅原 道哉(社会福祉法人 恵友会)
  • 山内 慶太(慶應義塾大学看護医療学部大学院 健康マネジメント研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,695,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、精神障害者がライフステージと健康状態に応じて、精神科医療と自立支援サービス等を利用できるよう、市町村等の相談窓口担当者を利用対象者とした「ライフステージに応じたこころの相談・支援ガイドライン」(以下、支援ガイドラインと略す)を作成することを目的とした。
研究方法
18年度各分担研究においては、支援ガイドラインに研究成果を集約できるよう16年度、17年度の2年間の研究成果をまとめ、必要に応じて補足的な研究を行った。また、ワーキンググループを設けて支援ガイドライン原案の作成を行い、読み手である市町村等の相談窓口担当者の持っている知識や知りたい情報をよく知る立場にある者が文章の点検と加筆を行なったうえで、本研究の分担研究者が、記載内容が学術的・臨床的観点から適切であるかどうか点検を行った。
結果と考察
支援ガイドラインの作成に当たっては、まず「ライフステージ」をどのように切り分けるかについて議論を行い、「学齢期(6~15歳)」「成人まで(~20歳)」「成人前期(~40歳)」「成人後期(~64歳)」「老年期(65歳~)」の5段階とした。それぞれのライフステージについて、介護保険の対象である「老年期(65歳~)」を除いては、「心理・社会的特徴」「相談の要点」「医療的支援のポイント」「生活支援のポイント」「障害者自立支援法の利用について」に区分してまとめた。また、支援ガイドライン後半には精神保健についての理解を促進する資料を掲載した。各分担研究においては、「運動・栄養・休養等の健康増進」、「児童思春期の精神障害者に対する、受容的・共感的な対応と社会経験を組み合わせたハイブリット・アプローチ」「医療拒否・支援サービス拒否の精神障害者に対する支援活動のあり方」「居住と支援のあり方」を視点に研究成果をまとめ、支援ガイドラインの資料とした。
結論
18年度研究においては、3年間の研究を集約することにより、精神障害者がライフステージと健康状態に応じて、精神科医療と自立支援サービス等を利用できるよう、市町村等の相談窓口担当者を利用対象者とした支援ガイドラインを作成した。

公開日・更新日

公開日
2007-08-21
更新日
-

文献情報

文献番号
200626010B
報告書区分
総合
研究課題名
精神障害者の正しい理解に基づく、ライフステージに応じた生活支援と退院促進に関する研究
課題番号
H16-障害-一般-016
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
北井 暁子(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 大嶋 正浩 (医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ)
  • 新井 昭紀(社会福祉法人 聖隷三方原病院)
  • 菅原 道哉(社会福祉法人 恵友会 )
  • 山内 慶太(慶應義塾大学看護医療学部大学院 健康マネジメント研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、精神障害者がライフステージと健康状態に応じて、精神科医療と自立支援サービス等を利用できるような、(1)「運動・栄養・休養等の健康増進」、 (2)「生活支援・医療・住居」、(3)「地域の育成」を軸足にした、地域としての支援のあり方を検討することを目的とする。また、研究成果をもとに、障害者自立支援法の成立により、市町村や施設等も精神障害者の自立支援に携わることを踏まえ「ライフステージに応じたこころの相談・支援ガイドライン」(以下、支援ガイドラインと略す)を作成することを目的とする。
研究方法
(1)については、精神障害者の運動・栄養・休養等の実態等の調査、(2)については、児童思春期の精神障害者の支援、医療からドロップアウトしていきやすい患者の調査、精神障害者社会復帰サービスニーズ等調査のデータセットの分析等を行った。(3)については、各都道府県等の精神保健福祉センターや精神保健福祉協会の保有する普及啓発の情報の実態、退院促進支援事業実績報告の分析等を行った。最終年度は、研究成果をもとに支援ガイドラインを作成した。
結果と考察
(1)によって、運動・栄養・休養における課題、支援のあり方を示すことができた。(2)によって、児童思春期の精神障害者に対して、受容的・共感的な対応と社会経験を組み合わせたハイブリット・アプローチ、成人の医療拒否・支援サービス拒否の精神障害者に対する支援のあり方を示すことができた。(3)によって、普及啓発に関する情報の実態、退院促進支援事業の実態と課題を把握することができた。ワーキンググループを設けて支援ガイドラインの原案の作成を行い、読み手である市町村等の相談窓口担当者の持っている知識や知りたい情報をよく知る立場にある者が文章の点検と加筆を行なったうえで、本研究の分担研究者が、記載内容が学術的・臨床的観点から適切であるかどうか点検し、本研究の青果物であるガイドラインを作成した。

結論
(1)「運動・栄養・休養等の健康増進」、(2)「生活支援・医療・住居」、(3)「地域の育成」を軸足に、地域としての支援のあり方を検討し、障害者自立支援法の成立により、市町村や施設等も精神障害者の自立支援に携わることを踏まえて支援ガイドラインを作成した。

公開日・更新日

公開日
2007-08-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200626010C

成果

専門的・学術的観点からの成果
精神障害者がライフステージと健康状態に応じて、精神科医療と自立支援サービス等を利用できるよう、「運動・栄養・休養等の健康増進」、 「生活支援・医療・住居」、「地域の育成」を軸足に、地域としての支援のあり方を検討した。その成果をもとに、障害者自立支援法の成立によって精神障害者の自立支援に経験の乏しい市町村や施設等も精神障害者の自立支援に携わることから、市町村等の相談窓口担当者を利用対象者とした「ライフステージに応じたこころの相談・支援ガイドライン」を作成した。
臨床的観点からの成果
児童思春期の精神障害者に対して、受容的・共感的な対応と社会経験を組み合わせたハイブリット・アプローチを提案した。また、精神科デイケアの治療効果が小さい群については、本人が安心できる環境を整え、小グループ化とカウンセリング、デイケアや支援センターなどを組み合わせる機動的対応が必要であることを示した。
医療からドロップアウトしていきやすい患者の調査を行い、医療拒否・支援サービス拒否の精神障害者に対する支援活動のあり方を類型化した。
ガイドライン等の開発
障害者自立支援法の成立によって、精神障害者の自立支援に経験の乏しい市町村や施設等も精神障害者の自立支援に携わることから、各ライフステージごとに「心理・社会的特徴」「相談の要点」「医療的支援のポイント」「生活支援のポイント」などをまとめた、市町村等の相談窓口担当者を利用対象者とした「ライフステージに応じたこころの相談・支援ガイドライン」を作成した。
その他行政的観点からの成果
平成15、16年度の退院促進支援事業実績報告を分析した結果、本事業は多くの県で試行的段階にあると考えられた。また、本事業の実績をより正確に把握するためには、各県における本事業導入のデザインの把握を強化することが必要と考えられた。
「精神障害者社会復帰サービスニーズ等調査のデータセット」を利用し、年齢階級別に、基本属性、臨床特性、退院後に求められるサービス、就労の可能性等について分析した結果、退院可能性に関する主治医の判断が臨床的にも比較的合理性があることが示唆された。
その他のインパクト
平成17年10月、浜松医科大学における第13回日本精神科救急学会総会において、本研究の成果をもとに、地域での生活支援と精神科救急についてシンポジウムを開催した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
8件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
11件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
「ライフステージに応じたこころの相談・支援ガイドライン」の作成
その他成果(普及・啓発活動)
1件
「地域での生活支援と救急」 第13回日本精神科救急学会シンポジウム.浜松医科大学.2005

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-