文献情報
文献番号
200626008A
報告書区分
総括
研究課題名
高次脳機能障害者の障害状況と支援方法についての長期的追跡調査に関する研究
課題番号
H16-障害-一般-014
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
中島 八十一(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
- 中島 八十一(国立身体障害者リハビリテーションセンター、神経内科・リハ医学)
- 寺島 彰(浦和大学 総合福祉学部・障害者政策)
- 深津 玲子(国立身体障害者リハビリテーションセンター、リハ医学・神経内科)
- 藤井 俊勝(東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻高次機能障害学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,576,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
高次脳機能障害者への一連のケアの終着点にある就労状況について詳細調査をすることにより、その実態を明らかにする。また、ニーズ判定票と簡易神経心理学的検査法を改定する。機能的MRIを用いた前頭葉機能検査法を個別診断が可能な方法にする。
研究方法
対象者は、高次脳機能障害支援モデル事業登録者で本研究においても調査対象者であることを承諾した者と新たに調査対象者として承諾した者であった。研究は所属する施設の倫理委員会の承認を経て実施された。
結果と考察
高次脳機能障害者が医学的訓練を終了した後の就労状況を調査するために、100名の追跡調査を実施した。その結果、就労者群と非就労者群との医学的属性の違い、年代別就労状況、就労者群の職種区分、支援状況、相談機関・サービス利用状況について統計が得られた。就労者群は50歳代が多く、職種は事務職、専門技術職が多かった。非就労者群は4割以上が再就労を望んでいるが、退職後再就職できた者に比べ利用している相談機関やサービスは少ない傾向にあった。
就職・就労に役立つと思われる支援・配慮は、両群ともに「障害についての職場側の理解」「高次脳機能障害の認定(手帳、年金等への反映)」「障害者職業センター等での訓練」「専門機関への相談」を挙げるものが多かった。
専門職が支援を計画する際の資料となる高次脳機能障害支援ニーズ判定票を障害者自立支援法に対応できる様式で改訂した。支援類型ごとの対象者の特徴、障害者自立支援法への検討を行った。
高次脳機能障害を評価する、福祉施設でも実施できるような簡易神経心理学的検査法を開発した。この検査法は短時間(20分程度)で施行可能であり、医師等の専門職以外の職員が検査を施行しても信頼性のある結果を得られる。
機能的MRIを用いて遂行機能障害診断課題を施行した。後出し負けジャンケンを賦活方法として用いた結果、健常者では左中前頭回(Brodmann area 9)および右上前頭回(BA10)において活動が見られ、遂行機能障害を有する被験者ではこの活動が見られず、両群で明確な差があることから個別検査法として利用できる。
就職・就労に役立つと思われる支援・配慮は、両群ともに「障害についての職場側の理解」「高次脳機能障害の認定(手帳、年金等への反映)」「障害者職業センター等での訓練」「専門機関への相談」を挙げるものが多かった。
専門職が支援を計画する際の資料となる高次脳機能障害支援ニーズ判定票を障害者自立支援法に対応できる様式で改訂した。支援類型ごとの対象者の特徴、障害者自立支援法への検討を行った。
高次脳機能障害を評価する、福祉施設でも実施できるような簡易神経心理学的検査法を開発した。この検査法は短時間(20分程度)で施行可能であり、医師等の専門職以外の職員が検査を施行しても信頼性のある結果を得られる。
機能的MRIを用いて遂行機能障害診断課題を施行した。後出し負けジャンケンを賦活方法として用いた結果、健常者では左中前頭回(Brodmann area 9)および右上前頭回(BA10)において活動が見られ、遂行機能障害を有する被験者ではこの活動が見られず、両群で明確な差があることから個別検査法として利用できる。
結論
高次脳機能障害の長期的な就労状況について調査が完了した。高次脳機能障害支援ニーズ判定票と簡易神経心理学的検査法が作成された。機能的MRIを用いた遂行機能障害の客観的検査法が開発された。
公開日・更新日
公開日
2007-04-17
更新日
-